愛猫がトイレ前や後に鳴くことがあります。
なぜ鳴くのか、またどう対応したらいいのか知りたい!
この記事では、このような疑問にお答えします。
結論からお伝えすると、猫がトイレ前や後に鳴くのは猫の表現方法の1つで、ほとんど心配しなくて大丈夫です。
しかし、便秘など体調不良や病気を発症している場合もあるため、見極めが大事になってきます。
とはいっても、トイレ前や後に鳴く理由が、”ほとんど心配いらない”のか、”体調不良や病気が理由”で鳴いているのか判断が難しいですよね。
実際どう対応すればいいのか、わからない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、猫の専門資格をもつわたしが、”猫がトイレ前や後に鳴く理由と対応方法”について解説します。
猫がトイレ前や後に鳴く理由9つ
猫がトイレ前や後で鳴く理由は、以下の9つです。
- トイレ前:”気合い”を入れていた!
- トイレ前後:トイレ報告をしている
- トイレ前後:トイレに不満がある
- トイレ後:子猫時代の名残り
- トイレ後:”トイレハイ”になっている
- トイレ前中後:便秘で辛いから
- 病気:尿路結石を発症している
- 病気:尿道炎を発症している
- 病気:膀胱炎を発症している
9つの理由を、カンタンに解説します。
①トイレ前:”気合い”を入れていた!
猫はトイレ前に”今からトイレでうんち・おしっこするぞ‼”と気合い入れのため鳴くことがあります。
我が家の猫が、うんちする前に悲鳴のような声で鳴いたため、あわてて動物病院に連れていったことがありました。
病気の心配をしたところ、獣医さんの診断結果は「検査しても問題なかったし、きっと気合いを入れたんでしょうね。」と。
SNSで、私と同じようなことを獣医から言われた人がいたので、ご紹介しますね。
病気を疑って動物病院へ連れて行ったのも、私と一緒でした‼
うんちやおしっこをするとき、悲鳴のような声で気合いを入れる猫は一定数います。
ほとんどは、”子猫時代に気合いを入れて排泄していた癖が、成猫になっても抜けきれないため”なんです。
②トイレ前後:トイレ報告をしている
飼い主さんとの関係性によって、「今からトイレでうんち(おしっこ)してくるよ」と報告するために鳴くことがあります。
「ちゃんとトイレでうんち(おしっこ)するから、褒めてね」と言ってるのだとしたら、とてもかわいいですよね。
我が家の猫も、トイレ前と後に鳴いてアピールしてきます。
毎回、すごくテンション上がっています。
飼い主さんを信頼している証なので、鳴いて報告してくれた時は、やさしく撫でて褒めてあげてください。
トイレ後に鳴いたら「うんち(おしっこ)してきたよ」と飼い主さんに報告し、さりげなくトイレ掃除をお願いしているのかも。(*’▽’*)♪
③トイレ前後:トイレに不満がある
トイレの衛生面や環境面など、トイレに不満があると鳴いて知らせることがあります。
猫はきれい好きな動物です。
排泄物がトイレ内に放置されたり、定期的なトイレ本体の掃除やトイレ砂の総入れ替えを怠ったりすると、猫は嫌がります。
もしトイレ前に訴えるように鳴いていたら、トイレがきれいに掃除されているか確認しましょう。
また、トイレ後に訴えるように鳴くときは、”トイレでうんち(おしっこ)してきたから、掃除してね”と伝えています。
排泄物を放置すれば衛生面でも環境面でも不潔です。出来るだけ早めに片付けてくださいね。
神経質な猫だと、排泄物を放置されることにストレスを感じることもあるため、注意が必要です。
トイレ周りが不衛生だと、うんち・おしっこを我慢する猫もいます。
別の場所で粗相することもあるので、気を付けましょう。
私がおすすめする掃除グッズは、記事後半で紹介しています!
④トイレ後:子猫時代の名残り
”トイレでうんちやおしっこをした後に鳴くのは、子猫時代の名残からきている”と理由づけした哺乳動物学者がいました。
子猫は排泄が終わると、母猫に出たことを伝えるために鳴くと、わが子の鳴き声を聞いた母猫は、子猫のおしりを舐めてきれいにします。
成猫になっても、子猫の感覚が残っていると見られる現象です。
⑤トイレ後:”トイレハイ”になっている
トイレ後、猛ダッシュでトイレから飛び出てくる現象、”トイレハイ”になると鳴くことがあります。
※猫の”トイレハイ”とは、うんちをした後、急にテンションが上がること。
【トイレハイ】は主にうんちをした後に見られる光景ですが、猫によってはうんちをする前にテンションが上がることも確認されています。
一度【トイレハイ】になると、暴走列車のように猛ダッシュしたかと思えば急停止したり…ぶつかりそうで怖いです。( ;∀;)
【トイレハイ】は交感神経の活性化によって起こるのでは?と言われていますが、本当のところはまだ解明されていません。
あくまでも仮説の中で有力候補としてご紹介します。
交感神経 | 副交感神経 |
興奮している状態のとき働く (うんちをする前後) | リラックスしている状態のとき働く (うんちをしているとき) |
⑥トイレ前中後:便秘で辛いから
便秘になると時間の経過とともに気分が悪くなり、下腹部の苦しさと辛さから声が漏れてしまうことがあります。
猫はあまり多くの水分を摂らないため、うんちが硬くなりやすく、便秘になりやすい動物です。
便秘気味になると人と同じでお腹に違和感を感じ、うんちを出したくてもなかなか出てこないため、とても辛そう。
普段から便秘にならないため、適量の水分や食物繊維を摂取できるような工夫を飼い主さんは行ってくださいね。
便秘の原因は多岐にわたり、毛づくろいで飲み込み体内に取り残されてた大量の毛玉、その他異物・腫瘍・腸閉塞・臓器器官に炎症などがあります。
⑦病気:尿路結石を発症している
尿管に結石が出来ると、おしっこをするとき強烈な痛みがあり、痛さのあまり鳴くことがあります。
症状がひどくなると、血尿がでたり結石によって尿管が詰まり、頻尿になることも。
尿管はメス猫よりオス猫のほうが細くて結石ができやすいため、特にオス猫は注意が必要。
状態が進行すると【尿毒症】というおしっこがまったくでない病気になり、短期間で命を落とすこともあるおそろしい病気です。
尿路疾患は水分摂取量が少ないと発症しやすいため、普段からしっかりと健康管理を行い、十分なケアをしてください。
⑧病気:尿道炎を発症している
尿道の粘膜が炎症していることで排泄時に強烈な痛みがあり、痛くて鳴くことがあります。
おしっこが少ししか出ないときは要注意‼
尿道炎を悪化させると尿道閉塞が起こり、短時間で急性腎不全や尿毒症を発症することがあるため、放置は絶対にいけません。
急性腎不全や尿毒症を数日間治療を行わなかった場合は、命を落とすことがあります。
治療が遅れると、一命を取り留めることができても慢性腎不全が残ってしまうことがあります。
悩む前にすぐ動物病院を受診しましょう。
⑨病気:膀胱炎を発症している
尿路結石と同様に膀胱炎を発症していると、おしっこをするときに痛みを感じ、悲鳴のような鳴き声をだすことがあります。
何度もトイレへ行ったり戻ったりを繰り返す行動をとり始める理由は、頻尿なのに膀胱に残尿感があるため。
おしっこに血が混じっている、おしっこが出ていなければ膀胱炎の可能性が高いです。
膀胱炎を放置すると腎不全になることがありますので、軽く考えてはいけません!
猫がトイレでの異常行動については、こちらの記事『猫トイレを出たり入ったりする理由』をご覧ください。
【体験談】我が家の猫も”トイレハイ”で鳴くことがある
我が家のどんくさい猫”ノアル”ですが、トイレハイになる確率がかなり高めです。
写真のように、トイレのふちへ両手足を乗せて、”まるで、クラウチングスタート”でもしているかのような姿勢でうんちを踏ん張ってます。笑
うんちが終わると、短く『ニャッ』と鳴いて、私めがけて猛ダッシュ‼
鳴き声がすると一瞬ドキッとしますが、部屋中を走り回っている姿に”トイレハイだ!”と気づき、一安心します。
このように、トイレ前や後に鳴いても、安心な場合もあるのですよ~。
停まり切れず、私にぶつかること、あるよ💦
(それより、トイレ中の写真撮るのもどうかと思うニャ‼)
猫がトイレ前や後に鳴く…飼い主が対応できる4つのこと
猫がトイレ前や後に鳴く理由は9つ、お伝えしました。
当然ながら、鳴く理由によって、飼い主さんがすべき対応も変わってきます。
少しの工夫で鳴かなくなることもありますし、すぐに獣医さんへ診てもらうべき場合もあります。
以下、4つの対応策をご紹介します。
- トイレを常に清潔に保つ
- トイレやトイレ砂を変えてみる
- 健康生活を心がける
- 動物病院を受診する
①トイレを常に清潔に保つ
トイレを常に清潔な状態にすることで、トイレに対する不満やストレスが軽減され、鳴かなくなることがあります。
また、トイレを清潔にすることは、雑菌や寄生虫の感染予防や病気予防にもつながります。
トイレが汚れていると排泄を我慢したり粗相したりすることもあるため、排泄物はできるだけ早く片付けて、常に清潔な状態にしておきましょう。
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においもしっかりとれて、トイレ空間が猫にとっても快適だニャ♪
②トイレやトイレ砂を変えてみる
トイレやトイレ砂に不満がある場合は、トイレ・トイレ砂を別のものに変えてみると鳴かなくなることがあります。
トイレの形状や大きさ、トイレ砂の素材などが猫の好みじゃないと、飼い主さんに向かって不満をぶつけることも。
猫の好みや体に合ったトイレやトイレ砂を見つけてあげるのも大事です。
トイレやトイレ砂を変えたことで鳴かなくなれば、【合わないトイレ】によるストレスが原因だったと考えられます。
2~3種類、同時に試してもらうのが理想です✨
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③健康生活を心がける
健康な状態を維持出来ていると、体の違和感も感じることが減り、鳴かなくなることがあります。
普段から猫のトイレ中や食事中の異変がないかチェックし、健康生活を心がけると病気の早期発見につながります。
トイレ環境を清潔に保つことは大前提ですが、猫の体調管理をするのはとても大切。
ストレスや肥満によって、膀胱炎や他の病気になることがありますので、健康生活を心がけましょう。
トイレ環境だけではなく、食生活も大事です。
フード・水の摂取量は適量を守りましょう
健康管理を「どうすればいいのかわからない」「異変かどうかを判断するのがこわい」と思われる飼い主さんもいらっしゃると思います。
実際、私も一人暮らしのため自分で判断するのがとても怖かったです。
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④動物病院を受診する
頻繁に鳴く場合は、病気が隠れている可能性があるため、動物病院を受診しましょう。
尿路結石だけではなく、腎臓などの泌尿器系の病気が原因でトイレでの排泄前や排泄後に鳴いているのかもしれないためです。
このような症状を確認したら、要注意です!
- おしっこが出ない
- おしっこが濁っている/おしっこに血が混じっている
- おしっこをするとき、痛がっている
他にも気になる仕草や行動の疑いがある場合も同様に、動物病院の受診をおすすめします。
慢性腎臓病などは、命に関わる重い病気なので、出来るだけ早期発見・早期治療していきましょう。
まとめ:猫がトイレ前や後に鳴く理由を理解して病気予防に役立てましょう
今回は、猫がトイレ前や後に鳴く理由とその対処法についてご紹介しました。
猫がトイレで排泄する前や後に鳴く理由は、以下の9つです。
- トイレ前:”気合い”を入れていた!
- トイレ前後:トイレ報告をしている
- トイレ前後:トイレに不満がある
- トイレ後:子猫時代の名残り
- トイレ後:”トイレハイ”になっている
- トイレ前中後:便秘で辛いから
- 病気:尿路結石を発症している
- 病気:尿道炎を発症している
- 病気:膀胱炎を発症している
中でも、「猫自身の気合いかもしれないこと」には初め驚きました。
理由はさまざまで、飼い主さんに向けた猫なりの表現が多いように感じられます。
うんちをした後に見られる「トイレハイ」の現象は、うんちをする前にもみられることがあり、猛ダッシュ・急停止なんて子供みたいで微笑ましいですね。
泌尿器系の病気になりやすい猫は、水分補給するなど、十分なケアが必要。
泌尿器系の病気が隠れている可能性もありますので、飼い主さんで判断せずに少しでも異変を感じたら動物病院を受診してください。
病気予防として、健康管理と水分摂取を忘れずに。
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