愛猫の目の上がはげ(毛が薄い)ていると、心配になりませんか?
- 猫の目の上がはげるのは、どうして?
- 猫の目の上にはげ(毛が薄い)がみつかったら、どうしたらいいの?
- 目の上がはげていることで考えられる病気はある?
結論からお伝えすると、猫の目の上がはげ(毛が薄い)理由は、耳の機能を有効にするためやリラックスするためと言われています。
現時点で科学的な立証がされておらず、有力な仮説で説明されているため、確証はありません。
しかし、皮膚の状態によっては、はげるような炎症や病気が隠れていることもあるため注意してください。
猫の専門資格をもつわたしが、【猫の目の上がはげ(毛が薄い)理由と考えられる病気】についてわかりやすく解説しています。
猫の目の上がはげ(毛が薄い)の特徴
猫の目の上あたりから耳の付け根にかけて一部、はげたように毛が薄くみえるのが特徴です。
まずは、目の上の毛が薄い部分と愛猫の様子をかんたんに確認しましょう。
猫の目の上のはげた(毛が薄い)部分に炎症がなく、かゆそうにしてなかったら問題ありません。
しかし、結膜炎や角膜炎など目の炎症や出血、皮膚に違和感を感じたら動物病院を受診してください。
我が家の黒猫の場合…目の上の毛が薄い”はげた部分”が目立つ‼
黒猫の場合、地肌の皮膚の色との差が大きく、実家にいるキジトラくんと比べると、目の上の毛が薄い”はげた部分”が目立っています。
地肌が見えることもあるため、「円形脱毛症?何か皮膚の病気かも?」と心配になりました。
黒猫は、毛の薄さが目立ってしまいがち。
撮った写真をみたときは、ビックリしました。↓↓
かかりつけの獣医曰く、「毛の薄さは個体差があるので、気にしなくていい」ということでした。
猫の目の上はげる(毛が薄い)理由2つ
※理由については科学的立証がありませんので、有力な仮説としてご紹介します。
猫の目の上がはげる(毛が薄い)理由は、以下の2つです。
- 音を聞きやすくするため
- 自分のフェロモンをこすりつけたため
2つの理由について、カンタンに解説します。
①:音を聞きやすくするため
猫の目がはげる(毛が薄い)のは、かすかな音も聞き分けやすくするため、だんだん退化していったと考えられています。
なぜ目の上はげるのか…猫の顔を見てみると、なんとなくわかってくるかもしれません。
実は、毛が薄くなっているところって、耳の前です‼
猫は、五感の中でも特に聴覚が優れています。
暗闇の中でも狩りをするため、かすかに聞こえる獲物の音がする方向・距離を正確に判断できる能力が必要でした。
ちなみに、人が音として聞くことができる領域20~20,000Hzにたいして、猫は25~100,000Hzと5倍の高音の領域まで聞き取れる能力があります。
人間 | 猫 |
20~20,000Hz | 25~100,000Hz |
※100,000Hzという数字は、超音波の音を発したり、聞き分けることができます。
猫が鳴いているようで、声が出ていないことありますよね?
【サイレントにゃ~】といって、実際は人が聞こえない高音の領域で鳴いているのです‼
②:自分のフェロモンをこすりつけたため
猫の顔まわりにある側頭腺から分泌されたフェロモンを自分の顔につけるため、前足で顔をこする場所がちょうど目の上あたりと言われています。
前足で顔をゴシゴシこすりすぎて、薄くなったのではと考えられているためです。
※尻尾の付け根にも尾腺と言われる臭腺器官があります。
猫も自分のニオイを自分につけることもあります。
猫がご飯をたっべ終わった後に、気づくと前足でゴシゴシ顔を洗っているしぐさは、自分のニオイをつけているのです。
私は最初みたとき、目ヤニとか拭いてるのかと思ってました。笑
また、自分のフェロモンを自分の顔につけることで、安心したり『ごちそうさま』の意味も含まれています。
猫の目がはげ(毛が薄い)で考えられる病気3つ
猫の目がはげ(毛が薄い)で考えられる病気は、以下の3つです。
- アレルギー反応によるため
- 皮膚糸状菌症
- 日光皮膚炎(日光過敏症)
3つの病気について、カンタンに解説します。
①アレルギー反応によるため
毛に付着したハウスダストや花粉・食べ物などでアレルギー反応が起こってしまうことがあります。
アレルギー反応が起こると、かゆみによる掻きむしりの行動がみられることが多いです。
アレルギー反応の原因を調べる方法は血液検査になります。
一般的に多いとされるのが、ハウスダストと花粉。
猫もストレスが溜まると、アレルギーに対する体の抵抗力が下がります。
ストレスには十分、気を付けてくださいね。
予防方法で共通しているのは、こまめな部屋の掃除をして常に清潔な状態を保つことです。
したがって、猫が出来るだけストレスを溜めない生活ができるように、ケアをしましょう。
②皮膚糸状菌症
アレルギー反応を起こすカビの一種【真菌】が皮膚に感染することで炎症を起こす病気です。
人に例えると、水虫の症状と同じで激しいかゆみが発生します。
聞きなれない病名ですが、「猫カビ」は聞いたことある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
痒がって、ゴシゴシ顔周りを舐めたりこすったりすると余計に毛が薄くなります。
ひどくなると、出血してかさぶたが出来ることもあり、油断ができません。
この病気で怖いのは、症状だけではなく空気感染します‼
自分の顔周りから体や足に発症したり、多頭飼いの場合は他の猫に感染したり、人へも感染することも。
体内の抵抗力が低い子猫や高齢猫、免疫抵抗が弱くなっている成猫に感染・発症しやすいと言われているため、注意が必要です。
皮膚糸状菌症は抗生物質の投与や、塗り薬で治せる病気なので、早期発見して早めに治療しましょう。
皮膚糸状菌症については、こちらの記事でも解説しています‼↓↓
猫の毛を引っ張ると抜ける原因5つ!撫でると毛の束が永遠に抜けるのは病気?
③日光皮膚炎(日光過敏症)
紫外線によるアレルギー反応により、抜け毛がひどくなり毛が薄くなったり脱毛がみられる炎症です。
”紫外線”と聞いて、夏の海で日焼けするイメージをしていただくと、わかりやすいかもしれません。
猫に紫外線アレルギーがあると、体の部分で日光が当たりやすい顔まわり、特に毛が薄い部分に症状が出やすいです。
白猫はメラニン色素が少ない毛色のため、紫外線を防ぐ力が弱く、特に注意が必要です。
アレルギー反応が起きたことで命を落とすことはほとんどありませんが、紫外線を浴び続けるとまれに悪性腫瘍(ガン)になることがあります。
室内で日向ぼっこしているときも紫外線は浴び続けていますので、注意しましょう。
猫の目の上の毛が薄いときは皮膚の状態を確認しよう
猫の目の上の毛が薄いとき確認する皮膚の部分は、以下の2つです。
- 目の上の毛が薄い部分
- 目の上以外の顔周り
2つの確認場所について、カンタンに解説します。
①目の上のはげた(毛が薄い)部分
目の上のはげ(毛が薄くなっているところ)の皮膚が赤くなっていたり、出血が見られないか確認しましょう。
目の上のはげ(毛が薄い)部分を含む、目の周りの皮膚が赤くなっているときは、結膜炎や角膜炎などを発症している可能性があります。
また目安として、毛が薄い部分に下記の症状がみられる場合は、皮膚に炎症を起こしている可能性が高いです。
- はげ(毛が薄い)部分が赤くなっている/出血がみられる
- 猫がかゆそうにしていて、異常に毛づくろいをしている
- かさぶたができている
皮膚の状態や、異常に毛づくろいや掻きむしる行動をみつけたら、早急に動物病院を受診しましょう。
②目の上以外の顔周り
目の上の毛の薄い部分以外でも、顔周りに脱毛があったり、皮膚に異常がないか確認しましょう。
猫の顔まわりに脱毛の症状が見られたときは、ダニヤノミなどの寄生虫や菌に感染している可能性があります。
また、皮膚の異常がある場合は、皮膚の病気を発症してかもしれません。
感染や皮膚の異常があると、異常にかゆがることもありますので、早期段階で動物病院を受診してください。
まとめ:猫は目の上がはげる(毛が薄い)理由は…自然な機能と病気の2種類あった!
今回は、猫は目の上がはげる(毛が薄い)理由について、解説しました。
現時点ではまだ、科学的な証明がされておらず、有力な仮説で説明されています。
猫の目の上の毛が薄くなっていても、異常にかきむしったり炎症が起こっていなければ、問題ありません。
しかし、毛の薄さは個体差がありますので、判断が難しいです。
明らかに皮膚に異常がみられる場合、次のような症状を確認した場合は、動物病院の受診をしましょう。
- はげ(毛が薄い)部分が赤くなっている/出血がみられる
- 猫がかゆそうにしていて、異常に毛づくろいをしている
- かさぶたができている
また、病気として紹介した炎症の中には、多頭飼いの他の猫や人へ感染することもあります。
猫がかゆがって必要以上に顔周りを掻きむしっている素振りがあれば、獣医さんに相談しましょう。
【ハウスダスト】【花粉】などアレルギー反応への予防策は、人と同じです。
飼い主さん自身の予防も含めて、一緒に対応していきましょう。
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