多頭飼いのあなたの猫が、通りすがりに他の猫へ「シャーッ!」と威嚇したことはありませんか?
「急に仲が悪くなったの?」「ケンカにならないか心配…」と感じやすいこの行動、じつは多頭飼いでよくある現象です。
- 猫が通りすがりに他の子へシャーッと威嚇する原因は?
- 多頭飼いで他の猫に威嚇する理由は?
- 「通りすがりシャーッ」を止めさせるには?
このような内容について、情報をまとめました。
結論からお伝えすると、猫が通りすがりにシャーッと威嚇するのは、環境や気持ちの変化による一時的なサインなことが多いです。
我が家のノアルも、モカが何もしてないのに、逆ギレのように「シャーッ」と言って通りすぎることがあります。
しかし、モカはノーリアクションなので、「ケンカしなければ大丈夫」と思っていましたが、間違いでした。
本記事で紹介する”猫の気持ちに寄り添った対応”をすれば、自然に落ち着きます。

猫の専門資格を持つわたしが、【猫が通りすがりにシャーッと威嚇する原因】について、分かりやすく解説します。
猫が通りすがりに他の子へシャーッ!と威嚇する原因5つ

猫が通りすがりに他の子へシャーッと威嚇する原因は、以下の5つです。
- 一時的にストレスや不満がたまっている
- 他の猫との距離感が近すぎてびっくりした
- 相手の猫の動きやにおいが気に入らない
- 縄張り意識が強くなってきた
- 病気や体調不良によるイライラ
それぞれ分かりやすく解説します。
①一時的にストレスや不満がたまっている
一時的なストレスや不満がたまっていると、猫が通りすがりに「シャーッ」と威嚇することがあります。
自分の縄張りに他の猫がいることへの警告や、ストレスや不満を感じやすい生き物のためです。
たとえば、飼い主さんが他の猫ばかり可愛がったり、お気に入りの場所を取られたりすると、嫉妬や不安から他の猫へ威嚇することがあります。
特に、我が家の2匹の関係のように、【オス同士の多頭飼い】は縄張り意識が高いため、よく見られる光景です。
ほかにも、遊びで興奮したり、お腹がすていたりする時も、近くにいる猫に八つ当たりするように「シャーッ」ということがあります。
②他の猫との距離感が近すぎてびっくりした
他の猫が思ったより距離が近すぎてびっくりすると、猫が通りすがりに「シャーッ」と威嚇することがあります。
単独行動を好む猫は、他の猫との距離が近すぎると、ストレスを感じやすいためです。
たとえば、背後から近づかれたり、寝ている場所に他の猫が突然現れたりすると、防衛反応として威嚇することがあります。
猫の、「これ以上来ないで」というサインです。
猫の縄張り意識や警戒心を理解すると、威嚇の回数が減る場合もあります。

猫同士は、最低でも1~2mほどの距離があると、安心しやすいです。
③相手の猫の動きやにおいが気に入らない
相手の猫の動きやにおいが気に入らないと、猫が通りすがりに「シャーッ」と威嚇することがあります。
猫が敏感な生き物で、予期せぬ動きや見慣れないにおいに不快感を覚えやすいためです。
「動きが落ち着かない」「体についたにおいが違う」など、新しく迎えた猫に対して、先住猫が警戒することがあります。
いじめているのではなく、先住猫は安心できる環境を守るために反応しているだけなのです。
④縄張り意識が強くなってきた
縄張り意識が強くなると、猫は通りすがりに「シャーッ」と威嚇することがあります。
完全室内飼いであっても猫は縄張り意識が強く、自分のテリトリー内に他の猫が入ってくると、ストレスや怒りを感じやすいためです。
たとえば、新入りの猫が先住猫の落ち着ける場所に入ると、「シャーッ」と声を出して追い払おうとします。
仲の悪い猫が近づいてきても、同じように一定の距離を保とうとして威嚇することもあります。

猫の性格によっても違いがあるため、威嚇しない子もいます。
あとは、猫同士の相性かな?
ちなみに、我が家の2匹はオス同士なので、特に縄張り意識が強いのかもしれません。
⑤病気や体調不良によるイライラ
病気や体調不良によってイライラしていると、通りすがりの他の猫へ「シャーッ」と威嚇することがあります。
体の不調を隠すのが得意な猫ですが、痛みや不快感があると、周囲に対して攻撃的になりやすいためです。
たとえば、ケガをしていたり、お腹の調子が悪かったりするときは、近くにいる猫に向かって「シャーッ」と声を上げることがあります。
猫が「これ以上近づかないで」と相手に意思表示して、自分の身を守っているのです。
多頭飼いで他の猫に威嚇する理由3つ

多頭飼いで多く見られる他の猫に威嚇する理由は、以下の3つです。
- 特定の猫との相性が微妙
- 以前の出来事がトラウマになっている
- その猫だけが「苦手な動き・におい」を持っている
それぞれ分かりやすく解説します。
①特定の猫との相性が微妙
猫の性格の違いから、特定の猫との相性が悪いと、通りすがりに威嚇することがあります。
猫にも好き嫌いや性格の合う合わない相手がいるため、相性が合わないとストレスが溜まりやすいためです。
たとえば、警戒心が強い猫やシニアの猫は、新入りの子が近づくだけでもイライラすることがあります。
また、我が家のように、オス同士は縄張り争いしやすいため、ケンカに発展することも多いです。
②以前の出来事がトラウマになっている
過去の辛い出来事がトラウマになっていると、他の猫を通りすがりに威嚇することがあります。
猫はわずかな変化にも敏感な生き物で、記憶に残った恐怖は忘れにくいためです。
たとえば、過去に猫同士のケンカで痛い思いをした猫は、似たような場面に遭遇すると、自分の身を守るために「シャーッ」と声を上げることがあります。
また、人に捨てられた経験のある猫は、飼い主に対して強い依存心を持ちやすく、他の猫に嫉妬して威嚇する場合もあります。

猫が突然怒ったり、尻尾を大きく膨らませたりしたら、不安や恐怖を感じているサインです。
③その猫だけが「苦手な動き・におい」を持っている
多頭飼いの中で動きやにおいが苦手な猫に対して、通りすがりに威嚇することがあります。
猫は敏感な生き物で、特に元野良猫や保護猫は、においや動きの違いに対して強く警戒する傾向があるためです。
たとえば、すばやく走り出したり、突然背後から近づいたりする猫に驚き、「シャーッ」と声を上げることがあります。
他の猫のにおいが自分の縄張りに合わないと感じると、不快感から攻撃的になる場合も同様です。
【体験談】我が家で試してみた!通りすがりシャーの対策5?選

我が家で試してみた、通りすがりシャーの対策は、以下の5(?)つです。
- 通り道を広げて、すれ違わないように工夫した
- 高低差のある空間をつくって一定の距離を保った
- シャーと言っても落ち着いて対応し、叱らない
- 威嚇されている子にも優しく声かけやケアを行った
- ストレス軽減グッズ(フェリウェイなど)を使う
それぞれ分かりやすく解説します。
①通り道を広げて、すれ違わないように工夫した
猫同士がすれ違わないように、それぞれの猫の導線が重ならないように工夫してみました。
それぞれのベッドやトイレなど、リラックスできる場所を別々に設置すると、威嚇する回数が少なくなった気がします。
また、私があまり部屋に物を置きたくない性格のため、個別の猫グッズを設置することができました。
お気に入りの場所に自分のにおいをつけることで、ストレス軽減につながったのではないでしょうか!

ちなみに、私は1人暮らしなのですが、ファミリータイプの3LDKに住んでいます。
そのため、部屋は無駄に広いですが、この方法で猫屋敷化が加速しました。笑
②高低差のある空間をつくって一定の距離を保った
我が家の猫はそれぞれ好きな場所が違うため、それぞれお気に入りの場所に、くつろげる空間を作りました。
たとえば、ノアルはテレビラックの上がお気に入りです。

モカは、キャットタワーの一番上がお気に入りです。

たまーに同じタイミングで落ちてくると、どっちかが追いかけることもありますが、基本的にリラックスできているみたいです。
また、テレビラックもキャットタワーも壁側に設置してあるため、安心しきった顔をしています。
威嚇するのはごくたまにで、普段はある程度の距離があるものの、穏やかにすごしています。

高い場所への昇り降りで、ストレスや運動不足の解消にもなるため、おすすめです。
③シャーと言っても落ち着いて対応し、叱らない
我が家では、先住猫のノアル(黒猫)がモカ(キジシロ猫)に向かって、「シャーッ」と威嚇します。
猫は飼い主から叱られている時、叱られている原因が理解できていません。
自分に向かって大声で話す飼い主に恐怖を感じさせるだけのため、ノアルの威嚇を目撃しても、絶対に叱らないことにしました。
猫の習性を知らずに叱ってしまうと、どんどん警戒されるでしょう。
わたしは、何事もなかったかのようにふるまい、2匹がそれぞれ落ち着くまで待ちます。

猫には、しつけができないから、叱るのは逆効果です。
④威嚇されている子にも優しく声かけやケアを行った
私は、一方的に威嚇されているモカに声をかけながら撫でて、落ち着かせるようにしました。
威嚇された側は、突然「シャーッ」と言われた理由が理解できず、ストレスで元気がなくなることがあるためです。
ノアルの見えない場所で抱っこしたり、毎日、猫じゃらしで遊んであげたり、ケアを行っています。
ケアする前は嘔吐や夜泣きが多かったですが、ストレスも減り、安心したようです。
⑤ストレス軽減グッズ(フェリウェイなど)を使う
以前も同じようなことがあったとき、動物病院で相談したら勧められたのが、「Feliway(フェリウェイ)」です。
フェリウェイは、猫の安心ホルモンに似た成分で、「猫が落ち着くよ」とのことでした。
お互いの猫のストレスを軽減できるし、動物病院の獣医さんがおすすめであれば、猫にとっても安全でしょう。
しかし、海外製品でなんとなく使うことに躊躇してしまい…こちらの商品は使っていません。
安全面は獣医さんが保証しているので、ご興味ある方はぜひ!
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猫が 通りすがりに他の子へ「シャー」と威嚇することについて

猫が 通りすがりに他の子へ「シャー」と威嚇することについて、以下の3つの項目にまとめました。
- SNSでは同じような体験をした声が多い
- 時間が解決することも多い
- 完全に治すのではなく”回数を減らす”意識が大切
それぞれ分かりやすく解説します。
SNSでは同じような体験をした声が多い
猫が通りすがりに他の子へ「シャーッ」と言うのは、多くの飼い主さんが経験していました。
SNSでも、投稿がありましたので、一部ご紹介します。
他にも、通りすがりに「シャーッ」と言うのは、よくあるんですね。
もちろん、猫の性格によって威嚇の意味合いもちがっていますので、しっかり観察して対処してあげましょう。
時間が解決することも多い
猫が通りすがりに「シャーッ」と威嚇していても、一時的なこともあります。
相手の猫に対して、慣れてくれば威嚇する必要がなくなるためです。
我が家の猫(ノアル)も、毎回威嚇するのではなく、何かのタイミングで「シャーッ」と言っているように感じました。
猫の性格によって違いはありますが、焦らず、そっと見守ってあげることが大切です。
完全に治すのではなく”回数を減らす”意識が大切
猫が通りすがりに「シャーッ」と威嚇する行動を「完全に治す」のではなく、「回数を減らす」意識を持ちましょう。
威嚇は、縄張り意識の強い猫の本能的な防御行動のため、完全になくすのは難しいです。
我が家では、「シャーッ」威嚇とともに、猫パンチをするなど、かなり荒々しいことがありました。
しかし、猫が安心できる環境を整え、猫のペースに合わせて対応したら、少しずつ威嚇の回数が減っています。

お互いの猫が嫌がる仕草を見逃さないことも大切です。
【まとめ】猫同士でも関係の波があるもの

今回は、猫が通りすがりに「シャーッ」と威嚇する理由について解説しました。
多頭飼いでは、猫の性格や環境の変化が影響しやすいため、通りすがりに「シャーッ」と威嚇することも珍しくありません。
そのため、威嚇した現場に遭遇しても「悪いこと」と決めつけず、猫の気持ちに寄り添うことが大切です。
威嚇した猫を怒ったり、無理にやめさせようとしたりするのは、逆効果になります。
猫同士にも「相性」や「タイミング」があることを忘れず、あたたかく見守ってあげましょう。
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