「愛猫にカリカリとウェットフードを混ぜて与えてはいけないの?」猫を飼っている方なら、1度は考えることではないでしょうか。
- 猫のカリカリとウェットフードを混ぜるのはだめ?
- カリカリとウェットフードを混ぜることで考えられる危険性
- 【ミックスフィーディング】とは
- ミックスフィーディングの正しいやり方
- カリカリとウェットフードそれぞれの特徴
結論からお伝えすると、【猫のカリカリとウェットフードを混ぜる】意味を正しく理解していれば、問題ないです。
今回ご紹介する方法は【ミックスフィーディング】といい、実際に混ぜるわけではありません。
高齢猫や口内炎のある猫など、カリカリが硬くて食べられずに栄養が取れない場合は、ウェットフードと両方与えることが推奨されています。
ただし、間違ったやり方で与えると、猫の健康を損ねるなどの危険があるため、注意が必要です。

猫の専門資格をもつわたしが、【猫のカリカリとウェットフードを混ぜることの危険性】や【ミックスフィーディング】についてわかりやすく解説しています。
この記事を参考にしていただき、猫の体調不良や食欲不振を防ぎましょう。
猫のカリカリとウェットフードを混ぜるのはだめ?

猫餌であるカリカリとウェットフードを混ぜるのは、実際に混ぜるのとは意味合いが違います。
カリカリとウェットフードを混ぜるのではなく、1日数回の食事の内容を変えるという方法です。
たとえば、朝はカリカリを与えたら、昼はウェットフードに切り替えます。
安易に混ぜ合わせてしまうと愛猫の健康を崩す恐れもあり、病気を誘発すれば、危険な状態にもなりかねません。
まずは、猫のカリカリとドライフードを混ぜることで考えられる危険性から解説します。
複数種類の猫フードを混ぜることで考えられる危険性4つ

複数種類の猫フードを混ぜることで考えられる危険性は、以下の4つです。
- 栄養の偏りができてしまう
- フードの特徴同士で効果を消しあってしまう
- 開封したフードを消化するまでの時間がかかる
- 食欲不振になりやすい
それぞれ、分かりやすく解説します。
①栄養の偏りができてしまう
栄養素の量が違うキャットフードを複数与えると、栄養の偏りができることがあります。
過剰摂取や不足する栄養素が出てくる可能性があるためです。
複数のフード(ここでは、カリカリとウェットフード)を与えることで、栄養管理が難しくなります。

【総合栄養食】とは、”これだけで栄養が十分摂取できますよ”と言われるフードのことです。
②フードの特徴同士で効果を消しあってしまう
それぞれフードの特性・効果を打ち消してしまう可能性があります。
猫の年齢や体形・体質改善用のフードは、栄養素の配合や特徴が違うためです。
たとえば、以下の表をご覧ください。
毛玉ケア用 | 食物繊維が10%配合し、体内にたまった毛玉の排泄をうながす たんぱく質や脂質の量は抑えられていない |
肥満気味用 | たんぱく質や脂質を抑えた低カロリー配合 |
上記2種類のキャットフードを混ぜ与えることで、それぞれの特徴が打ち消されてしまうのです。
肥満気味の猫は、たんぱく質や脂質を抑えたいのにも関わらず、毛玉ケア用には通常の量のたんぱく質・脂質が含まれています。
複数種類のフードを混ぜて与える時は、それぞれフードの特性を確認することが大事です。
③開封したフードを消化するまでの時間がかかる
開封したフードを全て消化するまでの期間が長くなってしまいます。
複数種類のフードを混ぜて与えることで、1種類あたりの消費量が減るためです。
また、カリカリ(ドライフード)の賞味期間は、”開封後1ヶ月以内”が目安とされています。
たとえば、開封したフードが空気に触れることで酸化が始まり、味や風味が落ちていきます。
そのため、開封後はできるだけフードの劣化を防ぐための工夫をしましょう。

ちなみに、私は小袋包装のものを購入したり、開封後すぐに密封できる【ジップロップの袋】へ小分け保存したりしています。

栄養バランスが崩れてしまうと、愛猫の体にも良くありません。
④食欲不振になりやすい
開封後に起こる”フードの劣化”により、食欲不振を起こしやすくなります。
臭覚の鋭い猫は、酸化がはじまることで味・風味が落ちたことを敏感に感じるためです。
猫が一口食べて『おいしくない』と感じると、食べなくなることがあります。
しかし、体の不調から食欲不振になっている場合は別の理由が考えるため、注意しましょう。
続いて、カリカリとウェットフードを使い分けて与える方法、【ミックスフィーディング】について解説します。
【ミックスフィーディング】とは

【ミックスフィーディング】とは、カリカリとウェットフードを使い分けて、両方与える方法のことです。
カリカリとウェットフードを実際に混ぜるのではなく、食事の時間帯によって使い分けて与えます。
それぞれのフードの比率は、愛猫に合わせて調節してOKです‼
- カリカリが硬くて食べにくそうな高齢猫や口内炎のある猫
- 水分をあまり取ってくれない猫
しかもこの方法は、与え方に対する厳密な決まりはありません。
- 【例1】朝:カリカリ ⇒ 夜:ウェットフード
- 【例2】朝・夜:カリカリとウェットフードの2種類

カリカリとウェットフードの、メリット同士を掛け合わせられる点が最大の特徴です。
【注意点】ミックスフィーディングの正しいやり方4つ

正しいミックスフィーディングのやり方(注意点)は、以下の4つです。
- カリカリ/ウェットフード共に【総合栄養食】を選ぶ
- 同じ製品・シリーズのフードを与える
- 1日に必要な給餌量を与えすぎない
- カリカリとウェットフードは極力混ぜない
それぞれ、分かりやすく解説します。
①カリカリ/ウェットフード共に【総合栄養食】を選ぶ
カリカリとウェットフードは共に、【総合栄養食】を選びましょう。
【総合栄養食】は食事として栄養管理されているフードです。
ちなみに、フードは大きく分けて【総合栄養食】と【一般栄養食】があります。
【一般栄養食】は、いわゆるおやつや副食(おかず)のような役割のため、これだけでは必要な栄養が摂取できません。

ウェットフードは【一般栄養食】のものが多いから、パッケージ表記を確認して購入してくださいね。
②同じ製品・シリーズのフードを与える
カリカリとウェットフードは、出来るだけ同じ製品・シリーズのフードを与えるようにしましょう。
同じメーカーのフードは、栄養基準の基本が同じことが多いです。
同じシリーズを選ぶことで、栄養の偏りを防ぎやすくなります。
③1日に必要な給餌量を与えすぎない
1日に必要以上のフードを与えすぎない、必要な量を計算してから与えましょう。
与えるフードが複数になると、パッケージ表記の量ではなく、それぞれ計算して与える必要があります。
カリカリとウェットフードのパッケージに記載されている『1日に必要な給餌量の目安』を確認し、フードを合算した量が必要カロリー数になるように注意してください。
④カリカリとウェットフードは極力混ぜない
カリカリとウェットフードは、極力混ぜないようにしましょう。
ウェットフードは酸化や腐敗が早く、カリカリと混ぜてしまうとお互いの良さが消されてしまう可能性があるためです。
カリカリとウェットフードを別々に与える場合は、メリット同士の相乗効果が期待されます。
ただし、噛む力や消化機能が落ちた高齢猫や口の中に歯周病などを発症している猫には、混ぜて与え、様子を見てください。

カリカリがウェットフードの水分を含むことで、柔らかくなり、噛む力を衰えさせる可能性があります。
カリカリとウェットフードそれぞれの特徴

カリカリとウェットフードそれぞれの特徴について、分かりやすく解説します。
【カリカリ】メリット
カリカリは、水分の含有量を10%以下で乾燥させたドライフードです。
フードから水分を抜くことで、細菌や微生物の繁殖をおさえることが可能です。
また、科学的に証明はされていませんが、カリカリを噛むことで歯に歯垢や歯石がつきにくくなり、口内の病気予防が期待できます。

価格もウェットフードに比べて割安で、便利な点もうれしいです。
【カリカリ】デメリット
カリカリ(ドライフード)から水分を摂取できないため、水を与える必要があります。
ある程度の水分を摂取させないと、下部泌尿器疾患の病気になりやすいため、注意が必要です。
【ウェットフード】メリット
ウェットフードは、水分の含有量が70~80%以上含まれているため、ウェットフードから水分が摂取できます。
水分を多く含んでいるため、カロリーを抑えても満腹感が感じやすく、肥満防止の効果が高いです。
また、ドライフードより香りが強いことから、猫の食欲増進にもつながっています。
特に噛む力が弱くなっている高齢猫などにも食べやすいため、おすすめです。
【ウェットフード】デメリット
ウェットフードの価格がドライフードと比べて割高な点や、開封後は傷みやすいため保存ができないなど、経済的なコストがかかります。
他にも、以下のようなデメリットが考えられるため、毎日の主食にはあまりおすすめしません。
- カリカリに比べて柔らかいため、噛む力が衰えやすい
- 噛まないことで歯垢や史跡がつきやすくなる
日頃からウェットフードを与える場合は、歯磨きやお口のケアが特に大事です。
\特許成分配合でデンタルケア/
\愛猫は、カリカリを食べるだけ/


まとめ:猫のカリカリとウェットフードを混ぜるのは、正しいやり方で行いましょう♪
今回は、猫のカリカリとウェットフードを混ぜることについて、解説しました。
カリカリとウェットフードの相乗効果を使った与え方【ミックスフィーディング】はおすすめです。
しかし、複数のフードを与えると、栄養の偏りやフード同士の特性を消しあってしまうこともあるため、注意が必要です。
それぞれのメリットやデメリットを踏まえ、正しいやり方でカリカリとウェットフードを与えれば、愛猫の満足度も上がるでしょう。(*’▽’*)♪
カリカリだけでは栄養摂取が難しい、高齢猫や口内に炎症がある猫には、特におすすめです。

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