猫が餌をポロポロ落とす場合、原因があることをご存じでしょうか?
「お皿の外に餌をこぼして、行儀悪いな」「急いで食べるから、こぼすのかも」と思われるかもしれません。
- 猫が餌をポロポロと落とす原因
- 猫が餌をポロポロと落とすときの改善策
結論からお伝えすると、猫が餌をポロポロ落とすのは、食事環境に問題がある場合が多いです。
決して、飼い主さんを困らせるためではありません。
愛猫の食事中にしっかり観察していれば、原因が見えてくるでしょう。
しかし、猫の食事中に異変を感じた場合は病気が隠れていることもあるため、見極めることが大切です。

早く、気付いてほしいニャー。💦
この記事では、具体的に考えられる原因を紹介していきます。

猫の専門資格をもつわたしが、【猫が餌をポロポロ落とす理由と改善策】について、分かりやすく解説します。
猫が餌をポロポロと落とす6つの原因

猫が餌をポロポロと落とす原因は、以下の6つです。
- フードに問題がある
- 餌入れに問題がある
- 狩猟時代の名残が関係している
- 年齢が関係している
- 口内炎の可能性
- 歯周病の可能性
順番に解説します。
①フードに問題がある
与えているフードに問題があると、猫が餌をポロポロと落とすことがあります。
ドライフードとウェットフード、それぞれの原因を見ていきましょう。
ドライフードの場合
与えている餌の粒の大きさや形が、猫に合っていないことが多いです。
猫の歯は臼歯があるものの、人のように食べたものをすり潰す形ではなく、少し尖っています。
そのため、餌を少し噛んでから丸呑みして食べる際、歯のすきまからポロポロ落ちてしまうのです。

そういえば、ノアルは嫌いな餌だけよけて食べたり、餌入れの外にわざと吐き出したりしていたっけ。…( = =) トオイメ

Σ(゚□゚;)ギクッ
猫が餌を丸呑みして噛まない理由は、こちらの記事で分かりやすく解説しています。
ウェットフードの場合
猫の舌はざらざらしていて水を飲むときは上手なんですが、食べ物を食べるときは苦手な猫が多いです。

ざらざらな舌にウェットフードが絡みつくと思ったけど、意外と難しいニャ

水を飲むときも、舐めるというより、舌を水の中に入れることで表面の突起部分についてきた水を飲む感じですね。
②餌入れに問題がある
餌入れになんらかの問題があると、猫が餌をポロポロと落とすことがあります。
猫は食事中、お皿に自分のヒゲがあたることで【ウィスカーストレス(ヒゲ疲れ)】が発生します。
猫のヒゲは「蝕毛(しょくもう)」と言われ、ヒゲが感じたものを根元に集中している神経を通り、脳へ情報伝達する役割があります。
猫の体に合わないお皿のサイズ・高さ・深さは食べにくいと判断し、フードをこぼしやすくなるのです。
③狩猟時代の名残が関係している
狩猟時代の名残が関係することで、餌をポロポロ落とすことがあります。
狩りで捕った獲物を食べるとき、獲物を前足でおさえておいて噛みつき、頭を左右に振りながら噛みちぎって食べていました。
餌は噛みちぎる必要がないのですが、本能的に習性が残っているため、頭を振りながら食べてしまうのです。

遠心力がかかれば、歯の隙間から飛んで行っちゃうよね。笑

ごめんニャ。
でも、食べながら頭を振っちゃうニャ💦
④年齢が関係している
猫も高齢になると、口の中に入れたフードがポロポロ落ちやすくなります。
加齢とともに、だんだん噛む力も弱くなってくるためです。
高齢猫用の食べやすい餌を与えたり、ドライフードを人肌程度のお湯でふやかしたりすることで、ある程度改善できます。
ここで注意してほしいことが1点。
ドライフードをふやかしたものや、ウェットタイプのフードだけだと、噛む力が急速に衰えてしまうため、適度に硬いドライフードも与えてください。

小さく砕いたドライフードをウェットフードに混ぜるなど、工夫してみてね。
⑤口内炎の可能性
今まで普通に食べていた餌を急にポロポロ落とすようになったら、お口の中に原因があるかもしれません。
お口の中に炎症がおき、重症になると口内で出血するため、痛みで上手に食べられなくなることがあります。

痛くて、いつもみたいに食べられないニャ。💦
口内炎を発症する原因は、外傷・お口の中が不衛生な状態・免疫力の低下などが考えられます。
放置すると、さらに体調が悪化するため、発症したら早めに動物病院を受診してくださいね。
口内炎以外の症状については、こちらの記事でまとめています‼↓↓
猫が急に餌を残す…食いつきが悪い理由9つ!食べ残ししたらどうするか対策方法を紹介
⑥歯周病の可能性
口内炎と同じく、今まで普通に食べていた餌を急にポロポロ落とすようになったら、歯周病の可能性があります。
歯周病は歯茎に炎症がおきてしまう病気で、放置するとさらに悪化して激しい痛みを伴うため、上手に食べることができなくなるのです。
歯周病の原因は、餌の食べカスが歯茎に付着することで発症します。
付着した食べカスを放置すると歯石となり、歯石の中に含まれる細菌が炎症させているのです。

日頃からお口のケアはすごく大事なんだよ!
二人とも、毎日歯磨きしようね~♪

歯磨き、きらいニャ~💦

きらいニャ~💦
そうなんです、大事なお口のケア『歯磨き』を嫌がる猫は結構多いです。
しかし、嫌がる猫のお口のケアを強引にすると、ストレスがかかって悪循環になります。
歯周病を放置すると、細菌が血管を通って全身に広がり、腎臓や肝臓など内臓器官に病気を併発する可能性がある怖い病気です。
猫のデンタルケアについては、キャットスペシャリストの資格を持つ私が、こちらの記事で紹介しています。
歯周病も早期発見したら、早めに動物病院を受診してくださいね。
猫が餌をポロポロ落とすときの改善策3つ

猫が餌をポロポロ落とすときの改善策は、以下の3つです。
- フードを変える
- 餌入れを変える
- 猫が餌をポロポロと落としても良い環境を作る
順番に解説します。
①フードを変える
餌の粒が小さいものは猫の歯の隙間からするりと落ちやすいため、大きい粒のフードに変えてみましょう。
同じメーカーで、粒の形が違う種類も販売されているため、いろいろ試してみることをおすすめします。
②餌入れを変える
猫にとって食べやすいお皿を選んであげましょう。
『食べやすいお皿』とは、お皿のサイズ・高さ・深さ・素材などで猫が総合判断して合格したものです!

もしかして、今使っているお皿が食べにくいのかもしれません。

僕たちが食べやすいのは、次の表を参考にしてニャ‼
サイズ | ・お皿のふちに猫のヒゲが当たらないもの ⇒猫はヒゲが食器に触れることで不快に感じます。【ウィスカーストレス(ヒゲ疲れ)】 学術論文に記載はありますが、科学的に実証はまだされていません。 |
深さ | ・猫が頭をつっこんでも、ヒゲが当たらない深さ ⇒猫にとって浅すぎず、深すぎないものを選んであげましょう。 浅すぎるとフードが飛び出てしまうため、いくつか試してみることをおすすめします。 一般的な目安は、3~5cmほど。 |
高さ | ・お皿自体に脚がついているものや、皿台を使って楽な姿勢を調整 ⇒猫が首を下げず、頭と体が一直線な状態で食べられる高さが目安です。 一般的な目安は、5~8cmほど。 |
③猫が餌をポロポロと落としても良い環境を作る
猫が餌をポロポロ落としても良い環境作りをしましょう。
猫本来の習性が原因の場合もあるため、完全に改善することが難しいためです。
出来る限り猫にストレスがかからない環境を作ることと、飼い主さんが食べこぼした餌の片づけが楽になる工夫をするとよいでしょう。

猫は悪くないから、絶対に叱ってはいけません。
猫は叱られた意味を理解できません。
低い声でガミガミ言ってくる飼い主さんに警戒して、食欲不振になる可能性もあります。
イライラするかもしれませんが、我慢です。
まとめ
この記事では、猫が餌をポロポロ落とす原因とその対策について解説しました。
猫が餌をポロポロと落とす原因は、狩猟時代の猫の習性によるものや、口内炎や歯周病などの病気が隠れている場合もあります。
判断の見極めが難しいですが、猫が食事している時によく観察してください。
病気をそのまま放置すると内臓器官の病気を併発することがあるため、異変に気づいたら、早めに動物病院を受診してくださいね。
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