譲渡会デビュー前の保護猫を預かることになった‼
だけど、ずっと隠れて出てこない…。何か気に入らないのかな~?
猫の預かりボランティアなどで、”預かった保護猫が隠れて出てこない”と困りますよね。
なぜ狭いところへ隠れて出てこないのか、保護猫だから?
結論からお伝えすると、保護猫だからというより、猫の特性が理由でした‼
特に保護猫は人馴れしていない子が多いため、人との共存に慣れていません。
保護猫が隠れて出てこない理由がわかれば、対策もできますからね。
この記事では、猫の専門資格を持つわたしが、保護猫が隠れて出てこない理由について解説します。
保護猫が隠れて出てこない理由5つ
保護猫が隠れて出てこない理由は、以下の5つです。
- 猫の本能(野生時代の名残)だから
- 警戒しているから
- 保護主さんから離れたい(1人になりたい)から
- ストレスを感じているから
- 体調不良を隠したいから
5つの理由について、カンタンに解説します。
①猫の本能(野生時代の名残)だから
野生時代では、狭いところに隠れることで、外敵から身を守っていました。
逆にお伝えすると、隠れたところでしか、リラックスできなかったんです。
保護猫は外の生活を知っているため、今でもその名残が強く、本能的に狭いところへ隠れると安心するのでしょう。
因みに、外敵がいないことがわかれば、徐々に隠れる行動は少なくなっていきます。
②警戒しているから
猫はもともと警戒心が強い動物ですので、保護猫ももちろん、例外ではありません。
突然、知らない場所へ連れてこられるわけですから、当然警戒しますよね。
保護猫の場合は、元野良猫だったり、人に捨てられて人間不信になったりする猫が多いので、隠れてしまうのは仕方ありません。
③保護主さんから離れたい(1人になりたい)から
保護主さんが必要以上に保護猫を構ったり話しかけたりすると、「静かに寝たいのに…」と思って、わざと狭いところへ隠れることがあります。
猫は眠っている間、ほとんど浅い眠りのため、声をかけたり触ったりするとすぐに起きてしまいます。
新しい環境に慣れてきた保護猫にとって、やっと1人時間を満喫できるようになったということです。
出てくるまでしばらく、そっとしておきましょう。
④ストレスを感じているから
猫は環境の変化を嫌う動物です。
小さな変化にも敏感に反応し、ストレスをため込みがちです。
例えば、
- 保護猫を預かることで、生活環境が変わった
- 知らない匂いがある
- にぎやかな音がする(静かな場所がない)
- いつも使っていたトイレやトイレ砂じゃない
- いつも食べてたご飯じゃない
など、「こんなことで?」と思うようなことでも、ストレスに感じる猫がいます。
ため込んだストレスを発散させる方法の1つとして、じっと隠れる場合も。
ストレスによる隠れる行為は、落ち着けば自然に出てくるので、しばらく様子見でよいでしょう。
⑤体調不良を隠したいから
猫は本能的に、自分の弱い部分を隠そうとします。
体長が悪いときや、ケガをしているときなど。
猫が狭いところに隠れるのは、外敵から見えない場所に隠れ、自然治癒力で治そうとするからです。
”猫は死が近いと、飼い主さんの前から姿を消す”
よく聞きますよね。
本当の理由は、
”猫が自分の死を悟ったから”ではなく、”体調を回復させて、また飼い主さんの元へ戻ってくる”ため
なんです。知ってましたか?
猫は、自分が虹の橋を渡るなんて少しも思っていないってこと!
だから、もし急に狭いところへ隠れるようになったら、体調不良の疑いがありますので、健康チェックを行ってください。
【要確認】もしかして、病気かもしれない⁉
猫の死亡原因第一位である【腎不全】をはじめ、病気を発症している可能性があります。
長時間隠れっぱなしで、か弱い声で鳴き続けたり、体を丸めて小さくしたりするときは、痛みを感じていることも。
病気に気づく前に、日頃から健康チェックを行いましょう。
- ご飯の量・お水の量は減っていないか
- うんちやおしっこは健康な状態か
- トイレの回数は多すぎ/少なすぎないか
- 体に触れると嫌がる部位があるか
- 口臭・体臭はきつくないか
どれか1つでも当てはまったら、動物病院を受診しましょう。
【攻略】隠れて出てこない時の対処法2つ
隠れて出てこない時の対処法は、以下の2つです。
- 隠れられるところを作ってあげる
- しばらくそっとしてあげましょう
2つの対処法について、カンタンに解説します。
①隠れられるところを作ってあげる
保護猫は人馴れしていないことも多く、新しい環境になれるまで狭いところに隠れがち。
しかし、隠れるところがないと、ストレスが溜まりやすいです。
保護猫を預かる理由として、”人に慣れさせる”意味もあるので、人が猫のペースに合わせる形をとります。
保護主さんの知らない場所に猫が隠れてしまうと、心配になりますよね。
お互い安心できるよう、あらかじめ隠れられるところを作っておきましょう。
人通りの少ない、静かな場所がいいニャ🎵
②しばらくそっとしてあげましょう
譲渡会デビュー前の保護猫を預かってすぐは、警戒して隠れることが多いです。
外敵のいない安全な環境であることがわかると、自然に出てきますので、それまでそっとしてあげてください。
隠れたところから出てくるまで、数時間から数日かかることがあります。
無理やり出さず、根気よく待ちましょう。
【攻略】狭いところから出す方法は…おもちゃやおやつで…
狭いところへ一度入ってしまうと、なかなか出てきませんよね。
無理やりひっぱり出そうとすると、ストレスになる場合もあるので注意が必要なのですが…。
例えば、体調不良や病気の疑いがあって、ボディーチェックしたい場合は、心を鬼にして引っ張り出さなければいけません。
狭いところから出す方法はズバリ、【おもちゃやおやつでおびき出す】です。笑
おもちゃでおびき出す
うちの子も元保護猫で、うちにきた当初はシャーシャーいいながら狭いところに隠れてました。
でも、子猫だったからなのか、入口あたりで猫じゃらしを振って見せると、手でチョイチョイと触る仕草。
もう少し大きく振って見せると、だんだん前のめりになってきました。笑
猫は動くものによく反応するので、効果的です‼
わたしの地元名物”えび天”は、よく食いつきます。笑↓↓
おやつでおびき出す
おやつ用”ちゅ~る”を少しだけだして見せると、おいしそうなニオイにつられて、こちらも前のめりに。
結局、我慢できずぺろぺろと食べてくれたので、出すことができました‼
反応がなくても、安全を確認すると自分から出てくるので、様子を見守りましょう。
まとめ:保護猫が隠れて出てこないのは…猫の特性だった‼
今回は、”保護猫が隠れて出てこない理由”について、解説しました。
一時預かりをした保護猫が隠れて出てこないことは、よくあります。
猫は環境の変化や、自分のペースが乱されることを嫌うためです。
特に保護猫に関しては、飼い主の身勝手な行動によって捨てられた飼い猫も多く、外の厳しい環境下で生活を強いられてきました。
「もう一度、人を信じてもらう」には、根気のいる作業です。
保護猫が狭いところに隠れて出てこなくても、自然に出てきてくれるまで、猫のペースに合わせましょう。
保護猫が隠れて出てこないのは…猫特有の習性からでした‼
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