猫が急に立ち上がったと思ったら、毛が逆立つからビックリした!
もしかして、急に毛が逆立つのは病気が隠れてるの?心配だな…。
今回は、こんな疑問にお答えします。
急に猫の毛が逆立つ…と思ったら、部屋の中を猛ダッシュすることがあります。
なんとなく「急に興奮したのかな」「怒ってるのかな」などと、想像しませんか?
しかし実際のところ、理由はその時によって猫の感情は微妙に違うんです。
この記事では、猫の専門資格をもつわたしが”猫の毛が逆立つ理由と仕組み”について解説します。
猫の毛が逆立つ理由6つ
猫の毛が逆立つ理由は、以下の5つになります。
- 興奮している
- 怒っている/威嚇している
- ビックリしている
- 怖がっている
- 遊んでほしい/構ってほしい
- 寒がっている
6つの理由について、解説します。
嬉しいから興奮している
猫どうしや飼い主さんと遊んでいるとき、急にしっぽの毛が逆立つことありますよね。
私はいつも突然のことでびっくりしますが、遊んでもらえて嬉しい気持ちから毛が逆立つようです。
大興奮している証拠。
またたびのニオイを嗅いだときの、アドレナリンが分泌され、興奮状態になるイメージです。
しかし、興奮状態が続くようでは、対策が必要になるかもしれません。
興奮で毛を逆立つときは、落ち着くまでそっと見守りましょう。
しばらくしても落ち着かない場合は、興奮した原因をつきとめて改善する必要が。
撫でたり声をかけたりして刺激を与えるのは、逆効果です。
怒っている/威嚇している
猫が怒ると、低い声で「ウー」と鳴き、近づくものに向かって「シャー」と歯をむき出しにして威嚇してきますよね。
猫の怒りが大きくなり威嚇するレベルに達すると、全身の毛が逆立つのです。
体全体:背中を丸めて、頭を下に傾ける
耳:後ろに倒す
目:瞳孔を大きく開く
ヒゲ:前に突き出す
口:両サイドの毛を逆立てて大きくみせる
猫が怒ったり威嚇したりする原因の多くは、猫のペースを乱されたこと。
例えば、気持よく寝ているところを起こされたり、構ってほしくないときに触ったり追いかけまわしたりすると毛を逆立てて威嚇してきます。
威嚇しながら、「今不機嫌だから構わないで!」と怒っているんです。
怒ってるときや威嚇してきたときは、猫から近づいてくるまで距離をおき、そっとしておきましょう。
怒りがマックスに近くなると、「やんのかステップ」がみられることもあるよ。
ビックリしている
急に大きな音がしたり物が動いたりすると、人でも驚きませんか?
猫も同じで、突然のことにびっくりすると、全身の毛が逆立つことがあります。
変化を嫌う猫にとって、想定外のことが起こると驚き、毛を逆立ててしまうようです。
来客に対して毛を逆立てているのは、興奮しているのではなく、ビックリしてるんだね。
怖がっている
例えば、他の猫と初めて遭遇したとします。
神経質な猫は相手の猫に対してまず警戒心が芽生え、相手の猫が自分より強そうであれば、だんだん恐怖心へ変わっていくのです。
恐怖心から毛を逆立てることがあり、一瞬威嚇しているように見えるかもしれません。
相手に対して「ウー」「シャー」と鳴いているかどうかで、威嚇なのか怖がっているのか、判断します。
威嚇してるときは、たしかに「ウー」「シャー」と鳴きますよね。
ただし、威嚇のときは軽はずみに手を出すとケガをする可能性があるので、十分注意してください。
怖がって毛を逆立てているときは、視界をさえぎってあげると落ち着いてきます。
タオルをかぶせたり、ケージ内に居れば、ケージごと目隠ししたり。
遊んでほしい/構ってほしい
「飼い主であるあなたに向かって、しっぽの毛を逆立てて走ってくる」
愛猫がみせる、このような行動に心当たりはありませんか?
しっぽの毛が逆立つのは、猫の感情表現がほとんどで、実は飼い主さんに遊んでほしいときがあるんです。
興奮したようにみえますが、”猫と目が合うかどうか”をチェックポイントにしてみましょう。
猫と目が合う→構ってほしくて、一緒に遊んでほしい
目が合わない→興奮してるだけ
私はこのように、判断しています。
遊び盛りの子猫によく見られるよ。
遊んでほしい/構ってほしい素振りをしたら、一緒に遊んであげましょう。
寒い・寒がっている
猫は自分の体温を調節することができません。
寒さや暑さにどう耐えているのかについては、毛づくろいが体温調節の役目をはたしています。
冬の寒い時期は毛の間に空気の層を作り、体の熱を逃がさないことで寒さをしのぐんです。
この原理と同じで、全身の毛を逆立てることで、毛の間に層ができ断熱効果になっています。
完全室内飼いの場合は、室内の温度設定を猫の快適な温度・湿度に設定してあげましょう。
毛づくろいによる体温調節については、こちらの記事で解説しています‼↓↓
猫が毛づくろいでブヒブヒ言う…念入りにべちゃべちゃする心理はストレス?4つの理由
猫の毛が逆立つ仕組みとは?
人がよく「ああ~鳥肌たった~」と言いますよね?
猫のの毛が逆立つのは、鳥肌がたつ仕組みと同じなんです。
猫も、興奮や怒りなどの感情によって脳内からアドレナリンを分泌し、交感神経を刺激します。
交感神経を刺激することにより、立毛筋(りつもうきん)が収縮することで、毛が逆立つのです。
図からもわかるとおり通常、猫の被毛は斜め上に向かって生えていて、皮下組織と被毛を立毛筋でつないでいます。
アドレナリンの分泌によって立毛筋が刺激を受け収縮することで、被毛が垂直に立つことが、猫の毛が逆立つ仕組みです。
猫のしっぽの毛が逆立ちやすいのはなぜ?
「どうして猫のしっぽの毛が逆立ちやすいのか」
この疑問に対する答えはズバリ、しっぽにはたくさんの筋肉がついているから。
毛を逆立てる仕組みとして筋肉が重要であるため、たくさんの筋肉があるしっぽの毛が逆立ちやすいのです。
名前を呼ぶと、しっぽを動かして返事をしてくれることもありますよね。
猫のしっぽは平衡感覚で体のバランスをとったり、しっぽの位置で猫の感情がわかったり、猫の気持ちを私たち飼い主に伝えているんだよ。
猫の毛が逆立つのは病気が隠れてる?
猫は病気を隠すのが上手な動物です。
毛が逆立つのは、なにかの感情を表現しているだけではなく、実は病気だったなんてことがあります。
皮膚や毛の状態が悪く、炎症がでているかもしれません。
体調不良のときに毛が逆立つこともあるため、日々のコミュニケーションの中で、健康チェックは行いましょう。
- 歩き方がおかしい
- 触られると痛がる/嫌がる
- ずっと隠れて出てこない
- 過剰に毛づくろい(グルーミング)する
- 食欲不振
些細なことでも、普段と違う行動に感じたら、動物病院を受診してください。
まとめ:猫の毛が逆立つのは…鳥肌のようなものだった!
今回は、”猫の毛が逆立つ理由”について、解説しました。
そもそも、なぜ猫の毛が逆立つのかについては、人が「鳥肌がたつ」原理と一緒でした。
興奮や怒りなどを感じることで、脳内からアドレナリンが分泌され、筋肉の収縮によって毛が垂直に立つんです。
しっぽの毛が逆立ったときの猫の気持ちを十分理解することは、猫のストレス軽減にもなります。
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