猫の餌を置きっぱなしにすることの問題について、考えたことのある飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
「捨てるのがもったいなくて、つい、置きっぱなしにしてしまう…」、このような声もあります。
- 猫餌の置きっぱなしはやめたほうがいい理由
- 猫餌の置きっぱなしをやめる方法
- どうしても餌の置きっぱなしする必要がある時の注意点
結論からお伝えすると、猫餌の置きっぱなしは健康面・衛生面から問題が起きやすいため、やめましょう。
愛猫がいつでも食べられるように、餌を置きっぱなしにしておきたい気持ちもわかります。
しかし、放置した餌を猫が食べることによって、健康を害する恐れがことを知っていただきたいです。
この記事では、餌を置きっぱなしにすることで猫に与える影響や、正しい対処法について、紹介していきます。

猫の専門資格をもつわたしが、【猫餌の置きっぱなし問題】について、分かりやすく解説します。
猫餌の置きっぱなしが問題になりやすい理由7つ

猫餌の置きっぱなしが問題になりやすい理由は、以下の7つです。
- 不衛生(衛生面が悪くなる)
- 鮮度(おいしさ)が落ちる
- 食欲がなくなる
- 肥満の原因になる
- 体調の変化に気づきにくい
- 【多頭飼育】個体の健康管理が難しい
- 【多頭飼育】療養食を食べている猫がいる
順番に解説します。
①不衛生(衛生面が悪くなる)
食べ残した餌に付着した猫の唾液から雑菌が繁殖することで、不衛生な状態になりやすいです。
室内であっても、空気中のちり・ほこり・ゴミ・汚れが付着します。
特に水分が多く含まれているウェットタイプは、湿気による雑菌の繁殖力が強いため、一度猫が口をつけたものは必ず片付けてください。
ゴキブリやハエがたかった後に猫が食べてしまった場合、病気を発症する恐れもあります。

毎食、猫が食べ終わったら、餌入れをきれいに洗うことも大事です。
②鮮度(おいしさ)が落ちる
猫の餌は、時間の経過とともに鮮度(おいしさ)が落ちやすいです。
ドライタイプの餌は、空気中の湿気を取り込んでいきます。
ウェットタイプは、放置することで水分が蒸発して乾燥し、夏の時期は腐ることもあるため、注意が必要です。
どちらのタイプでも、餌を長時間放置することで、おいしさ(鮮度)が落ちていき、雑菌が発生しやすくなります。
また、開封後もできるだけ空気に触れないように、ジップロック袋を使うなど、工夫することが重要です。
ちなみに、ウェットフードは、開封当日中に食べきれなかった分は廃棄してくださいね。
賞味期限 | 開封時の消費期限(目安) | |
ドライフード | 1~2年 | 約1カ月 |
ウェットフード | 2~3年 | 1日 |

消費期限は、守りましょう!
③食欲がなくなる
餌の鮮度が落ちることで、猫の食欲もなくなりやすいです。
猫にとって、嫌なイメージがついた餌は食べなくなります。
置き餌にすると、香り(ニオイ)や風味(味)がおちていくため、猫の興味がなくなってしまうのです。
猫は視力を補うために発達した臭覚や味覚によって、自分好みの餌を判断しています。
④肥満の原因になる
愛猫が1日に食べた餌の量が把握できなることで、肥満の原因になりやすいです。
食べた餌の量を把握できないと食事管理が難しくなり、肥満になるリスクが高くなります。
猫も肥満になると病気を発症するリスクも上がため、健康管理と合わせて食事管理も大切です。
⑤体調の変化に気づきにくい
愛猫が餌を食べる時間が定まっていないと、体調の変化に気づきにくいです。
猫がいつ食べにくるのかわからないと、餌の食いつきさや異変を確認することが難しくなります。
小さな異変が見られたら動物病院で受診することで、もしかしたら病気の早期発見につながるかもしれません。
病気の早期発見ができれば、早期治療を受けられるため、健康寿命を延ばすことにつながります!

愛猫が食べた餌の量を把握することは大事です。
⑥【多頭飼育】個体の健康管理が難しい
多頭飼育しているご家庭だと、個体の健康管理が難しいです。
たとえば、雄猫同士だと餌の取り合いでケンカになったり、弱い立場の猫が栄養を十分摂れなかったりします。
餌を置きっぱなしにすることで、個体ごとに食べた量の把握が難しくなるのです。
与える時は、平等に食べられるように餌入れを分けて与え、食事の量から健康管理ができるようにしましょう。
⑦【多頭飼育】療養食を食べている猫がいる
多頭飼いの中に、療養食やダイエット食など、猫によって与える餌が違うことです。
たとえば、元気な猫が食べる必要がない療養食は、病気になっている猫や高齢猫に与えることがあります。
療養食は健康な猫が食べても問題ありませんが、一般的な餌とくらべて割高のため、与える必要がないのです。
餌を置きっぱなしにすると、健康な猫も食べてしまう可能性があるため、工夫する必要があります。
猫餌の置きっぱなしをやめる方法5つ

猫餌の置きっぱなしをやめる方法は、以下の5つです。
- 時間をかけて、1日の給餌回数を減らしていく
- 出したときに食べない場合は片付けちゃう
- 廃棄したゴミ箱も注意する
- おやつも上手に活用する
- 自動給餌器を導入する
順番に解説します。
①時間をかけて、1日の給餌回数を減らしていく
最初は1日の総給餌量を朝・昼・夜・就寝前前後の4回ぐらいに分けて与えましょう。
ストレスを感じず慣れてきた様子であれば、次は朝・昼・夜の3回で与えてみてください。
いつも餌入れに入っていた餌の量が突然少なくなってしまったら、猫も驚いてしまいます。

最終的には、朝・夜の2回に分けて与えるとOK‼
②出したときに食べない場合は片付けちゃう
飼い主さんが用意した餌を与えてから15~20分ほどの間に食べない場合は、片付けてしまいましょう。
今まで猫餌を置きっぱなしにしていたことで、『いつでも食べられる』と思っているためです。
そのため、与えられたときに食べないと『片付けられてしまう』ことを覚えてもらいます。

最初はちょっと心が痛みますが…。
様子をみながら、徐々に慣らしていけば大丈夫です。
片付けた餌は『もったいない』と思わず、一度空気に触れているため、廃棄してくださいね。
③廃棄したゴミ箱も注意する
ゴミ箱に猫餌を廃棄するときも、注意しましょう。
ゴミ袋に入れて捨てた餌でも、ニオイを嗅ぎ分けて、捨てた場所の特定ができてしまうためです。
猫は臭覚が優れていて、捨てた餌のニオイがすると、ゴミ箱をあさってしまうか可能性があります。
ゴミ箱は不衛生なものを誤飲する可能性や、飼い主さんの手間も増えてしまうため、ゴミ箱の管理を徹底しましょう。
④おやつも上手に活用する
おやつを上手に活用しましょう。
おやつを使うことで、空腹感を紛らわせるためです。
いつでも食べられる状態から、決まった時間に与える方法に変えても、猫はすぐに理解できないと思います。
食事時間の合間にご飯を催促するしぐさをみせたら、おやつを上手に活用する方法がおすすめです。
⑤自動給餌器を導入する
自動給餌器を導入し、常に新鮮な猫餌が食べられるようにしましょう。
自動給餌器は、食事の量や時間を管理してくれるためです。
飼い主さんが餌の時間を忘れていても、毎日決まった時間に餌を与えてくれる家電で、すごく便利です。
電池タイプ | 電気切れした場合は、機械が動かず給餌できない。 |
コンセントタイプ | 停電した場合は、機械が動かず給餌できない。 |
普段ウェットタイプの餌を与えてる場合は、ウェットフード対応の機種を選んでくださいね。
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どうしても餌の置きっぱなしする必要がある時の注意点3つ

餌を出しっぱなしでも問題なさそうな猫のタイプ | ・一気に食べない ・食べ方にムラがある ・痩せている |
餌を出しっぱなしにするのはダメな猫のタイプ | ・たくさん食べてしまう ・(病気などで)健康管理の徹底は必要 ・肥満気味 |
どうしても餌の置きっぱなしする必要がある時の注意点は、以下の3つに注意してください。
- 1日の餌の量を決めて、食べ残しは翌日まで持ち越さない
- 猫餌の継ぎ足しはだめ!
- 餌入れのお皿は毎回洗う
順番に解説します。
①1日の餌の量を決めて、食べ残しは翌日まで持ち越さない
1日に必要な餌の量を決めたら、食べ残しがあっても、その日のうちに全て捨てましょう。
猫の食べた量や時間など健康管理をするためです。

環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」には摂取カロリーの目安が詳細に記載されているから、確認してみてね。※ファイルがちょっと重いです。
ウェットタイプの餌は腐りやすいため、置きっぱなしは絶対にいけません。
雑菌が増えた状態の餌を食べてしまうと、病気になる可能性があり、危険です。
②猫餌の継ぎ足しはだめ!
猫餌の継ぎ足しは絶対にやめましょう。
1日どれだけ食べたのか、給餌量の管理も難しいためです。
ドライタイプであっても、空気に触れることで徐々に湿気やチリ・ホコリなどが付着し劣化していきます。
餌を与える際は、残っている餌を全て捨てて、きれいに洗った餌入れにいれてあげてくださいね。
③餌入りのお皿は毎回洗う
ある程度の時間が経っていたら、餌が残っていてもお皿を洗いましょう。
猫の唾液が付着した餌から雑菌が繁殖し、お皿を舐めることで、雑菌が広がっている可能性が高いためです。
お皿を洗うときは猫用の食器洗い剤も売っていますが、中性洗剤をほんの少しスポンジにつけて洗っても、しっかりすすげば問題ありません。

スポンジは、人間用の食器用スポンジとは別に【猫用】を使ってくださいね。
まとめ:猫餌の置きっぱなしは…問題あり‼

今回は、猫餌の置きっぱなしは問題ないか”について、解説しました。
猫餌を置きっぱなしにすることで、衛生面や健康管理面でデメリットがあります。
また、衛生面から病気を発症する可能性も高くなるため、注意が必要です。
今、猫餌を置きっぱなししている人は、徐々に与え方の改善をしていきましょう。

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