引っ越しや帰省のとき、愛猫を一緒に連れていく際、長距離移動するときのトイレって困りませんか?
- 猫を新幹線/電車/車で長距離移動しても大丈夫?
- 猫を長距離移動する前に準備すること
- 猫を新幹線/電車/車で長距離移動するときの注意点
- 猫を長距離移動させるための便利グッズ
結論からお伝えすると、猫を長距離移動させる際も、トイレの準備や注意点を守れば、一緒に移動することが可能です。
特に、新幹線や電車の中は、他の乗客とラブルが起こらないように対策する必要があります。
しかし、猫は環境が変わることを嫌う動物のため、正しく対処しないと、トラブルや猫がストレスを受けやすいのも事実です。

この記事では、猫の専門資格をもつわたしが、【猫の長距離移動中のトイレ事情】について分かりやすく解説しています。
猫を新幹線/電車/車で長距離移動しても大丈夫?

新幹線や電車の場合は、猫用のきっぷを購入すれば一緒に乗ることが可能です。
ただし、他の乗客への迷惑行為など、トラブルを防ぐため、事前に準備する必要があります。

考えられる”迷惑行為”は、猫が鳴き続けたり、キャリーケースから飛び出てしまったりすることです。
また、排泄時のニオイにも、対策を取りましょう。
車の場合も、猫を車に乗せることは法律で禁止はされていません。
しかし、運転者には守らなくてはいけない法律がありますので、ご紹介します。
車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
道路交通法第55条の2項:参考
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
道路交通法第4章第1節第70条:参考
2つの法律からもわかるように、猫がおとなしく落ち着いていても、膝の上に乗せて運転するのは違法です。
運転席だけでなく、運転に支障がでる場所には、同じように違反となります。
大事故につながる可能性もあるため、法律をしっかり守り安全な走行をしましょう。
猫を長距離移動する前にトイレで準備すること5つ【新幹線/電車編】【車編】

猫を長距離移動する前にトイレで準備することは、以下の5つです。
- 長距離移動時の情報収集をする
- 【新幹線/電車】持ち込み可能なキャリーケースを準備する
- 【新幹線/電車】長距離移動前の食事制限とトイレを済ませる
- 【車編】車内の空気を清潔にする
順番に解説します。
長距離移動時の情報収集をする
猫は環境の変化を嫌う動物のため、長距離移動時にストレスがかからないよう情報収集しましょう。
事前に情報を確認しておくと、渋滞・混雑時間帯を避け、スムーズに移動できます。
たとえば、新幹線や電車で移動するときは車内の混雑状況、車で移動するときは道路状況を確認することが大切です。
車で長距離移動する場合は、猫用トイレを座席下など狭い場所へ設置できるか、確認しておきましょう。
また、長距離移動日が決まったら、愛猫の健康状態を確認しておくと安心です。

長距離移動前に、健康診断を受けること推奨している獣医さんもいます♪
【新幹線/電車】持ち込み可能なキャリーケースを準備する
新幹線や電車に持ち込めるサイズのキャリーケースを準備しましょう。
- ケースの大きさがタテ・ヨコ・高さの合計が120cm以内
- ケースと猫の合計の重さが10kg以内
キャリーケースで移動させることで、愛猫の安全を確保するためです。
新幹線では、猫用ケースの持ち込めるサイズが決まっていて、ケース1個につき290円で持ち込めます。(2023年1月現在)
※私はJR東海のホームページで確認しましたので、こちらをご覧ください。
また、他の地域では規定の違うところがある場合もあるため、気になる方は、お住いの地域でご確認ください。
【新幹線/電車】長距離移動前の食事制限とトイレを済ませる
新幹線や電車での移動前は食べる量を減らして、猫が長距離移動中なるべくトイレを使わなくてもよい状態にしておきましょう。
移動中にトラブルが発生することを防ぐためです。
新幹線や電車は、猫の都合で停車することができないですし、周りに他の乗客も乗っていらっしゃいます。
新幹線や電車で移動する前は食事制限して、出発前に自宅でおしっこ・うんちを出してから出掛けると、排泄時のニオイを気にする必要がありません。

ぼくたち猫は人と同じで、食べてすぐに乗車すると、乗り物酔いしやすいニャ。
だから、食べてすぐの乗車は避けてほしいニャ💦
【車編】車内の空気を清潔にする
猫を車で長距離移動させるときは、車内の空気を清潔にし、出来るだけ無臭に近い状態にしましょう。
猫の臭覚は人間の数万~数十万倍と言われ、ニオイに敏感な動物です。
車の中に芳香剤やたばこのニオイがあると、ストレスの原因になります。

車内でたばこは吸わないでほしいニャ💦
また、猫がトイレで排泄したニオイを消す場合は、消臭スプレーを持っていくのがおすすめです。
\天然成分で中和消臭するから、猫も安全/

【車編】食事の制限とトイレを済ませる
車での移動前も食べる量を減らして(できれば絶食)、出発前までにトイレを済ませた状態にしておきましょう。
絶食が望ましいのは、新幹線や電車と同じで、食べてすぐに乗車すると車酔いしやすいためです。
そのかわり、目的地についてからたっぷり食べさせてあげてください。
また、出発前にトイレを済ませておけば、車内でトイレを使うことも少なくなります。
車内に猫用トイレは設置するものの、できるだけ出発前にうんち・おしっこは済ませたほうが猫も飼い主さんも安心しませんか?
飲み込んでから胃に到着 | 胃の中で消化が完了する | 消化されたものが腸へ排出する | 腸内を完全に通過する | |
消化時間 | 9~12秒後 | 2.5時間後 | 14.5時間後 | ~24時間後 |

ちなみに、猫は寝起きや遊び終わった後・食後によく、おしっこやうんちをします!
ここから逆算すると、わかりやすいですね。
車内環境は猫にとってストレスの原因になりやすいため、車内でトイレを我慢してしまうこともあります。
出発前にしっかりとうんち・おしっこを出してから乗車すると、体の負荷も軽減されます。
猫と長距離移動する時のトイレに関する注意点6つ【新幹線/電車編】

猫と【新幹線/電車】で長距離移動する時のトイレに関する注意点は、以下の6つです。
- 猫用の切符を買う
- 猫のストレスを軽減させる
- 最前列の窓側座席を予約する
- 周りの乗客に迷惑がかからないようにする
- 水分補給をする
- 猫の状態を確認する
順番に解説します。
①猫用の切符を買う
乗車駅の窓口や券売所で忘れずに猫用の【手回り品きっぷ】も購入してください。
猫を新幹線に乗せるときは、猫専用の「手回り品きっぷ」が必要です。
東海道新幹線のホームページには以下のように記載がありますが、他の地域では規定が違う場合があります。
ご自身のお住いの地域で、確認しておきましょう。
小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(猛獣やへびの類を除く)で、
- タテ・ヨコ・高さの合計が120センチ以内の動物専用のケースにいれたもの
- ケースと動物を合わせた重さが10キロ以内のもの
手回り品料金は、1個につき290円です。ご乗車になる駅の改札口などで荷物をお見せのうえ、普通手回り品きっぷをお求めください。
JR東海ホームページ“きっぷのルール”ページより抜粋
②猫のストレスを軽減させる
猫のストレス軽減のため、ホーム内ではキャリーケースの上にタオルや布をかけてあげましょう。
静かな場所を好む猫は、新感線や電車のホームでのアナウンスや電車の走行音など、大きな音が不快に感じることがあります。
猫は静かで暗い場所を好むため、外の音と視界を遮断してあげると、落ち着くことが多いです。
③最前列の窓側座席を予約する
新幹線や電車の座席は、足元のスペースが広い最前列の窓側を予約しましょう。
また窓側をおすすめする理由は、通路の人通りから一番離れているため比較的静かなためです。
乗車中はホーム内と同じように、キャリーケースの上からタオルや布をかけた状態で窓側の座席下(足元)に置きます。
座席の下は静かで薄暗いため、長時間でも落ち着く猫が多いです。
④周りの乗客に迷惑がかからないようにする
周りの乗客へ迷惑がかからないように、キャリーケースから出さないようにしましょう。

突然の音や人の声などに驚き、逃げ出してしまう可能性があるためです。
また、慣れない環境で、ストレスから猫が突然鳴きだすことも少なくありません。
一度鳴きだすと、しばらくは鳴き続けてしまうこともあります。
猫が鳴き始めたら連結部分のデッキするなど、静かで落ち着くところへケースごと移動させ、周囲の乗客へのトラブルを防ぐことが大事です。
⑤水分補給をする
長時間の食事は断食しても問題ありませんが、水分補給は定期的に必ず与えましょう。
水分不足は、脱水症状を起こしかねません。
キャリーケースの中にいる猫に、シリンジやスポイトを使って、水分を与えてください。

⑥猫の状態を確認する
移動中も、キャリーケースの中の猫の状態は確認しましょう。
新幹線や電車の多少の揺れや他の乗客の食べ物のニオイなどで、乗り物酔いすることが考えらます。
以下のような症状が見られたら、空気のきれいなデッキなどへケースごと連れていき、少しでも猫が楽になるような対応が必要です。
- あくび
- 呼吸が荒くなる(口呼吸)
- 大量のよだれ
- 嘔吐
- 下痢
- 失禁
乗り物酔いするか不安であれば、事前に動物病院を受診し、獣医の判断のもと猫用の抗動揺病薬(酔い止め薬)を処方してもらうこともできます。
猫と長距離移動する時のトイレに関する注意点6つ【車編】

猫と【車】で長距離移動する時のトイレに関する注意点は、以下の6つです。
- 車内でもキャリーケースで移動する
- 車の運転手は安全運転
- 車内温度に気を付ける
- 1~2時間ぐらいおきに車を止めて休憩する
- 猫の状態を確認する
- 水分補給をする
順番に解説します。
①車内でもキャリーケースで移動する
猫が車で長距離移動中、車内で動き回らないように、必ずキャリーケースへ入れて移動しましょう。
狭い場所へ入れられたことである程度のストレスがかかり、出してしまうと興奮状態になって暴れる可能性があるためです。
目的地に着くまではキャリーケースから出さずに、外から話しかけて落ち着かせます。

そのほうが、私たち猫にとっても安全なんだニャ♪
- ちょっとだけ、一瞬だけ出すのは大丈夫かな💦
- 少しだけ入口をあけて、話しかけたいな💦
このような甘い考えで入口をあけてしまうと、猫が急に飛び出て車の事故につながったり、猫がケガをしたりする可能性が十分考えられます。
絶対にやめましょう。

②車の運転手は安全運転
狭い空間に長時間入れっぱなしだと、中の猫の様子が気になるのはわかりますが、運転手は安全運転に徹しましょう。
車の運転手が確認するのは事故につながるため、絶対にやってはいけません!
車で移動する際は複数人数で乗車し、猫をお世話は同乗者の方に任せてください。
また、運転中は急発進や急ブレーキなどはせずに、安定した丁寧な走行を行うことが大切です。

運転が粗いと猫は遠心力が弱いから、ケースの中でボールのように転がっちゃうニャ。
ケガにつながりやすいニャ💦
③車内温度に気を付ける
車内の温度設定は、猫に快適な適温を保ちましょう。
猫は、体温調整が苦手な動物のためです。
基本的に猫が快適にすごせる気温は、夏と冬で違います。
夏場の冷房快適温度 | 冬場の暖房快適温度 |
26~28℃ | 21∼28℃ |
ちなみに、快適にすごせる湿度は50∼60%と言われています。
車内は室内と違って外気温度の影響が大きいです。
標準の快適温度より夏は低く、冬は高く設定して、一定の車内温度を保つようにしましょう。
④1~2時間ぐらいおきに車を止めて休憩する
車のエンジンの振動でずっと揺れている状態が長時間だと疲れるため、1~2時間おきに車を止めて休憩を入れましょう。
人も疲れますが、猫も同じように疲れてしまうためです。
また、狭いキャリーケースの中では、ストレスを感じています。
1~2時間に1度は車を止めて猫も運転手さんも休憩し、車の全部のドアがしまっていることを確認してから車内に出してあげましょう。

キャリーケースから出さなくても、目を見て声をかけるだけでも、効果はあります!
⑤猫の状態を確認する
車で移動中は、運転手以外の人が、キャリーケース内の猫の状態を定期的に確認しましょう。
猫が車酔いしてくると、あくび・呼吸が荒くなる(口呼吸)・大量のよだれ・嘔吐・下痢・失禁などの症状がよくみられます。
ほとんどの症状はストレスからが原因と考えられるため、症状が見られたときはすぐに車をとめて休憩したり、水を飲ませたりしてください。
乗り物酔いは正式には動揺病と言われ、乗り物が上下・左右に継続的に反復して揺れるなどによって引き起こる症状です。
そのため、動物病院で獣医さんに相談の上で猫用の抗動揺病薬(酔い止め薬)を処方してもらうことができます。
獣医さんも推奨しているため、興味がある方は、一度かかりつけの動物病院でご相談ください。
他にも、同乗者が猫に声をかけたり、姿(顔)をみせることで安心する猫もいます。
⑥水分補給をする
車の移動時も同様、長時間の食事は断食しても問題ありませんが、水分補給は定期的に必ず与えましょう。
水分不足は、脱水症状を起こす可能性があります。
キャリーケースの中にいる猫にシリンジやスポイトを使って、普段よりは少なめにはなりますが水分を与えてください。

新幹線/電車や車で長距離移動する時の便利グッズ7つ

新幹線/電車や車で長距離移動する時の便利グッズは、以下の7つです。
- 【長距離移動】ハーネスやリード
- 【長距離移動】水分補給するシリンジやスポイト
- 【普段使い】キャリーケース
- 【普段使い】猫のニオイがついたお気に入りグッズ
- 【普段使い】粗相や嘔吐したときの掃除道具
- 【普段使い】水分も取れるごはん
- 【普段使い】洗濯ネット
順番に解説します。
【長距離移動】ハーネスやリード
ハーネスやリードは、万が一急にキャリーケースから飛び出さないために、猫に着けておくグッズです。
長距離移動中は急な飛び出しによる脱走防止のためにも、ハーネスとリードを付けた状態でキャリーケースの中に入れることをおすすめします。
普段ハーネスやリードに慣れていない猫には、長距離移動する前から慣らしておくと、当日スムーズに装着しやすいです。
普段付け慣れていない猫には、出発前に少し付け慣らしておきましょう。

【長距離移動】水分補給するシリンジやスポイト
長時間といっても、10時間ずっと水分なしだと、脱水症状が起こる可能性があります。
移動中もキャリーケースの中で飲むためのお水を持参して、シリンジやスポイトで少しずつ飲ませてあげましょう。
※シリンジとは、先端に針がついていない注射器のような形のものです。

【普段使い】キャリーケース
キャリーケースは、通気性のよいもので、車内のシートベルトにしっかり固定できるものを選びましょう。
最近だと、車のシートベルトに対応しているキャリーケースが販売されています。
硬い素材のものだと、万が一粗相や車酔いのよって嘔吐しても、簡単に拭けたり洗い流せたりして便利です。
【普段使い】猫のニオイがついたお気に入りグッズ
猫が普段使っているタオルやフリースなどをキャリーケースに入れてあげましょう。
猫は、自分のニオイがついたお気に入りグッズがあると、落ち着きます。
【普段使い】粗相や嘔吐したときの掃除道具
長距離移動中に粗相や嘔吐した場合の掃除道具として、フェイスタオル数枚やビニール袋を用意しておくと便利です。
【普段使い】水分も摂れるごはん
水分も摂れるごはんとは、「総合栄養食のちゅーる」のことです。
ちゅーるはフード皿がなくても食べさせられますし、75%が水分のため、水分補給にもなります。
”おやつ用”ではなく、”総合栄養食(ごはん)用”を何本か、用意しておきましょう。

【普段使い】洗濯ネット
キャリーケースに慣れていない猫を落ち着かせるためや、長距離移動では脱走防止策として、洗濯ネットを使う場合があります。
猫をキャリーケースへ入れるとき、暴れることが多いためです。
動物病院でも、猫を落ち着かせるため、洗濯ネットを使用する獣医さんもいらっしゃいます。(*’▽’*)♪

洗濯ネットは、100均の商品でOKです‼
目的地に着いたら…

猫から近寄ってくるまで、気長に待ちましょう。
猫は新しい環境に警戒し、不安になっています。
猫が周りの様子を観察している間は、飼い主さんから愛猫へ近寄り、触れたり話しかけたりしてはいけません!
猫がゆっくり部屋の中を観察始めたら、安心するような環境つくりを行ってください。
- そっと隠れられて落ち着ける場所を作る
- 日頃から自分のニオイがついたトイレやトイレ砂・食器やベッドなどを配置する
まとめ:猫の長距離移動中のトイレは準備と対策を行えば問題なし!

今回は、猫を長距離移動するときのトイレ事情について解説しました。
長距離移動中は、なるべく猫に負荷がかからないよう、事前準備や注意点を押さえておくことが大事です。
特に新幹線や電車での長距離移動中は、他の乗客とトラブルが起きないように、細心の注意と対策が必要になります。
移動時の便利グッズも使いながら、愛猫と快適にすごせるように準備しましょう。

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