愛猫が急に餌を残すようになったから心配。
なぜ食いつきが悪いの?猫にも食欲の波があるの?
今回は、こんな疑問にお答えします。
結論からお伝えすると、野生時代の名残りや気に入らないことがある・病気を発症するなど、様々な理由から猫は急に餌を残すのです。
”餌を急に残す”と言っても、いろいろな状況が考えられるため。
今まで毎食しっかり食べていたあなたの愛猫が、急に餌を残すようになったら心配になりますよね。
しかし、どう対応したらいいのかわからなくて放置するのは危険です‼
猫は何かを感じ取っていたり、体の不調を必死に隠しているのかもしれません。
この記事では、”餌を急に残す理由”から対策方法までご紹介します。
そこで、猫の専門資格をもつ私が、”愛猫が急に餌を残す原因”について解説します‼
猫が急に餌を残す…食いつきが悪い理由9つ
猫が急に餌を残す…食いつきが悪い理由は、以下の9つです。
- 野生時代からの名残り
- 餌が変わった
- 餌が飽きた
- おやつ(間食)の食べ過ぎ
- 餌入れが気に入らない
- ストレスがある
- 猫の発情期になった
- 食が細くなった(高齢猫)
- 病気を発症している
9つの理由について、カンタンに解説します。
①野生時代からの名残り
野生時代からの名残りから、餌を全て食べずに残すことがあります。
獲物を取ると必要な栄養分だけ食べて、残りを保存食として残していたため。
また、獲物を見つけると素早く狩りできるように、お腹いっぱい食べず、常に腹八分目の状態にしていたのです。
野生時代の猫は、狩りをして食料を調達していたため、いつでも食べられる状態ではありませんでした。
もともと猫は小食だから、一度にたくさん食べられないニャ。
食べた後、前足で砂を掘るようなしぐさが見られたときは、他の猫にとられないように隠そうとする野生本能の名残です。
餌を隠す仕草については、こちらの記事でまとめています‼↓↓
猫がご飯に砂かけ動作だけで食べないのはなぜ?7つの理由と対策を紹介!
②餌が変わった
餌の種類が変わると、餌を全て食べずに残すことがあります。
新しいご飯が気に入らなかった可能性があるため。
警戒心の強い猫だと、不安で急に食べなかったり、残してしまったりすることがあるのです。
餌を変えたいときは一気に全量変えず、新しいフードの配分を少しずつ多くしていき、最終的に10割になるように時間をかけて与えましょう。
1~2日様子をみても、まったく食べない場合は体調不良かもしれません。
動物病院での受診を推奨します。
③餌が飽きた
いつも食べていた餌が飽きると、餌を全て食べずに残すことがあります。
残すことで『別のご飯食べたいな』とアピールしているため。
ドライフードの場合は開封後、味が劣化していくので、餌を変えていないのに残す猫がいます。
この場合、猫が味に飽きているのか、餌の劣化なのかを見極めることが大切です。
ドライフードの袋を開封したら、密閉して保存してください。
※ウェットフードは腐りやすいため、開封後保存はやめましょう。
猫の好みは味覚より食感で判断しているといわれますが、他の味に変えると勢いよく食べる可能性があります。
口に入れる食べ物は、安心・安全なものが望ましいのは人と同じです。
ドライフードの中でも、メーカーによってこだわりが違うので、2~3種類のフードを与えている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
ちなみに、わたしのおすすめフードについては、こちらの記事でまとめています‼↓↓
猫の資格を2つ持つ猫LOVEな私が与えている猫餌の最強メニューをレビューします!
④おやつ(間食)の食べ過ぎ
おやつ(間食)の食べすぎによって、餌を全て食べずに残すことがあります。
ご飯を食べる前に、満腹になってしまうため。
おやつ、ちょーだいニャ♡
・・・。(我慢)
おやつは適量だと問題ありませんが、毎回おねだりの度に与えるのは猫の体にとって良くありません。
おやつもカロリーがあるので、カロリーオーバーになり肥満へと繋がります。
しっかり健康管理していきましょう。
⑤餌入れが気に入らない
餌入れが気に入ったものではないと、餌を全て食べずに残すことがあります。
- 餌入れの高さ
- 餌入れの素材
- 餌入れの形
- 餌入れの大きさ
以上のことが好みと違うと、餌を残すことがかなり多くみられます。
⑥ストレスがある
過度のストレスを感じていると、餌を全て食べずに残すことがあります。
猫はストレスを感じやすく、ストレスによって食欲不振になりやすいため。
例えば、下記のような出来事があると、ストレスに感じてしまいます。
- 引っ越しをした
- 飼い主さんに赤ちゃんが生まれて人数が増えた
- 別の猫や他の動物が家族の一員になった
- えさの置き場所が変わった
猫の生活環境が変わるとストレスとなり、急に食欲不振になってしまう猫もいるのです。
毎日、猫の状態を観察して環境を整えてあげましょう。
⑦猫の発情期になった
避妊・去勢手術をしていない猫が発情期になると、餌を全て食べずに残すことがあります。
発情期に生殖活動が始まると、食事をおろそかにしがちなため。
発情期は陽の出ている時間に影響を受けますが、室内飼いの猫は明るい部屋で過ごすことが多いため発情しやすいです。
避妊・去勢手術すれば、ある程度は大丈夫‼
去勢手術した猫でも、マーキング(スプレー)行動が見られることがあります。
性格も関係してくるので、手術したからといって、全ての猫に適用する理由ではありません。
⑧食が細くなった(高齢猫)
高齢猫に多く見られる”食が細くなった”ことで、餌を全て食べずに残すことがあります。
1番の理由は、高齢猫になると、内臓機能や基礎代謝も落ちてくるため。
人と同じで、猫も年齢を重ねるとだんだん食が細くなり、食べる量が減っていきます。
体に必要なエネルギー量も少なくなり、食べる量が減っていくのです。
消費カロリーより摂取カロリーが多くなると、肥満へとつながります。
高齢猫には、高齢猫用の低カロリーフードに切り替えましょう。↓↓
⑨病気を発症している
猫が餌を急に全く食べなくなってしまった場合は、病気の可能性が高いと思ってください。
- 嘔吐・下痢
- 発熱
- 元気がない
- フードをまったく口にしない
病気の症状として、食欲不振と下痢や嘔吐などの症状が出てくることが多いです。
下痢や嘔吐の症状が見られなくても、よだれや口臭がきつくなった場合は、口内炎や歯周病を発症しているかもしれません。
食べたくても、痛くて食べられない状態になっています。
お口の中のケアはすごく大事なので、日頃から口内炎や歯周病を予防しましょう。
とはいっても、歯磨きが苦手な猫も多いですよね。
”できるだけ歯磨きする時間や回数を減らしたい”そんな人には、歯磨きだけに頼らない口腔内ケアの方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
口腔内ケアについては、こちらの記事でまとめています‼↓↓
【歯磨き嫌いな猫におすすめ】キャットケアスペシャリストの私も納得のカナガンとは?
成猫だと24時間以上全く食べない状態だと、脂肪肝になる可能性がありますので、すぐに動物病院を受診してください。
猫が急に餌を残すときやってはいけないこと2つ
猫が急に餌を残すときやってはいけないことは、以下の2つです。
- 置きっぱなしにする
- 香料や添加物を使っている安価な餌に変える
2つのやってはいけないことについて、カンタンに解説します。
①置きっぱなしにする
猫が食べ残した餌はどうするか…置きっぱなしにするのは絶対にいけません。
空気中のちりやほこり・ごみが餌に付着し、湿気も吸収して劣化するため。
はっきりいって、不衛生です‼
特に、ウェットフードは腐敗が進みやすいため、猫が食べてしまうと危険です。
フードには猫の唾液が付着していて、唾液から雑菌が繁殖するので、食べ終わったらすぐに片付けましょう。
置きっぱなしにすることで酸化も進み、味自体も落ちてしまうなど、デメリットばかりです。
餌の置きっぱなしについては、こちらの記事で解説しています‼↓↓
猫餌の置きっぱなしは問題ない?全部食べるまで放置がだめな7つの理由とは
②香料や添加物を使っている安価な餌に変える
香料や添加物を使っている安価な餌に変えるのは、やめましょう。
香料や添加物は、体に良くないため。
安価な餌には、味を強くするための香料や添加物を使用し、おいしく感じられるように作られています。
しかし、香料や添加物の入った餌ではなく、素材の品質が高い餌を与えることが大切。
健康寿命を延ばし、長く生きてほしいから食生活も大事です。
食べ残ししたらどうするか対策方法7つ
食べ残ししたらどうするか対策方法は、以下の7つです。
- 完食できる量に調整する
- 猫の体に合った餌を与える
- 餌を変えてみる
- 【ドライフード】猫用ふりかけやかつおぶしなどをトッピングする
- 食感の違う餌に変える
- 食事の時間を決める
- リラックスして食べられる環境を作る
7つの対策方法について、カンタンに解説します。
①完食できる量に調整する
1回の食事で完食できる量を与えましょう。
1度で食べきれる量を観察し、調整してください。
猫は消化が苦手なので、たくさんの量を一度に与えると、胃や腸に負荷がかかってしまいます。
②猫の体に合った餌を与える
猫の体に必要な栄養量の餌を与えましょう。
猫は本能的に自分の体に必要な栄養素の量がわかると言われています。
運動量が少ない猫や肥満気味の猫、年齢によっても必要な栄養量がちがうので、適切な量のフードを知ることが大事です。
食事管理を徹底し、少しでも異変を感じたら動物病院を受診しましょう。
③餌を変えてみる
餌の種類を変えてみて、様子を観ましょう。
餌が猫に合っているか、栄養バランスはとれているかなど見直し、味をかえてみることをおすすめします。
その際は、品質の良いものを選んであげましょう。
フードの切り替え方は、少しずつ慎重にね。
④【ドライフード】猫用ふりかけやかつおぶしなどをトッピングする
ドライフードの場合は、猫用のふりかけやかつおぶしなどトッピングをかけて、与えてみましょう。
猫用のふりかけやかつおぶしが市販されています。
残した日は、少しかけてあげると食べるかもしれません。
ただし、かけるのは猫用のものを使用してください。
人間用のふりかけやかつおぶしは、塩分が強いから絶対にだめだよ。
⑤食感の違う餌に変える
いつも食べている餌の食感を変えるだけで、味変したような新鮮な気持ちで食べる猫が多いことがわかっています。
普段ドライフードであれば、ウェットフードに切り替えたり、ぬるま湯でふやかしてたりと、試してみましょう。
⑥食事の時間を決める
毎日食事の時間を決めて、規則正しい食事時間を作りましょう。
毎日決まった時間に与えることで、猫も学習します。
猫の年齢や体の調子によって、1日に与える回数は調整してください。
⑦リラックスして食べられる環境を作る
猫がリラックスして食べやすい食事環境を作ってあげましょう。
猫に合った環境に整えることで、ストレスも軽減され食欲も安定します。
猫は生活環境だけでなく、食事環境つくりも大切です。
まとめ:猫が急に餌を残す…食いつきが悪い理由は…たくさんあった
今回は、猫が餌を急に残す理由について、解説しました。
猫が餌を残す理由は、ストレスや病気になっていることがあります。
おねだりされて、おやつや時間外でのフードを与えていることで満腹になり、本当の食事時間に食べられなくなっている場合もあります。
体調管理の面からも、愛猫からの毎回のリクエストに答えるのはやめましょう。
飼い主さんの管理ができないことで、飼い主さんの知らないうちにカロリーオーバーになっているかもしれません。
カロリーオーバーすると、肥満になりやすくさらに病気を併発する恐れがあるため十分注意してくださいね。
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